スライドノズル(Slide Nozzle)とは、主に射出成形機で使われるノズル機構の一つで、ノズル内部の流路をスライド機構で開閉できるノズルのことです。
簡単に言うと、
「樹脂の出口を機械的に開け閉めするノズル」
です。
主な目的は、樹脂の糸引き(鼻垂れ)や漏れを防ぐことです。
1. なぜ必要?
通常のオープンノズルでは、樹脂温度が高かったり低粘度材料だと、
ノズル先端から樹脂が垂れてしまうことがあります。
これを 鼻垂れ(drooling) と言います。
すると、
- 金型汚れ
- 成形不良
- 糸引き
- 異物混入
の原因になります。
そこで、必要時だけ開く機構としてスライドノズルが使われます。
2. 仕組み
内部にスライド弁(シャッター)があり、
射出時
→ ノズル開放
→ 樹脂が流れる
射出停止時
→ ノズル閉鎖
→ 樹脂を止める
という動作をします。
イメージ:
閉: [●] ← 通路閉塞
開: [○] ← 樹脂流動
機械式の「バルブ」のようなものです。
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3. メリット
① 鼻垂れ防止
最大の利点です。
特に:
- 低粘度樹脂
- 高温成形
- エンプラ
で有効です。
② 糸引き低減
ノズル離脱時の糸引きを減らせます。
③ 材料ロス削減
樹脂漏れが少なくなります。
④ サイクル安定
ノズル周辺汚れ減少。
4. デメリット
構造が複雑
通常ノズルより高価です。
メンテ必要
スライド部に、
- 樹脂固着
- 摩耗
が起こることがあります。
滞留リスク
デッドスペースで、
- ヤケ
- 黒点
が出る場合があります。
特に熱履歴に弱い材料で注意。
5. シャットオフノズルとの違い
似た言葉です。
シャットオフノズル
→ 総称(閉止機構付き)
スライドノズル
→ その一種(スライド機構型)
ほかにも、
- ニードル式
- ボール式
- バルブ式
などがあります。
6. 使用されやすい材料
特に有効なのは:
- ポリアミド(PA/ナイロン)
- ポリアセタール(POM)
- 熱可塑性エラストマー(TPE)
- 低粘度グレード樹脂
です。
7. 現場でのトラブル
| 症状 | 原因 |
|---|---|
| 漏れる | シール摩耗 |
| 開閉不良 | 樹脂固着 |
| 黒点 | 滞留劣化 |
| 射出不足 | 開き不足 |
対策として、
- 定期分解清掃
- 温度管理
- パージ管理
が重要です。
ひとことで言うと:
スライドノズルは「樹脂の流れをスライド弁で開閉し、鼻垂れや糸引きを防ぐ射出成形用ノズル」です。特に漏れやすい樹脂の安定成形に役立つ機構です。


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