ダイ内射出方式(ダイないしゃしゅつほうしき)とは、ブロー成形で用いられる方式の一つで、金型(ダイ)の内部に樹脂を直接射出してパリソン(中空の筒状樹脂)を形成し、そのままブロー成形を行う方法です。
押出ブロー成形とは異なり、射出成形とブロー成形を組み合わせた成形法に分類されます。
■ ダイ内射出方式とは
まず、射出装置から溶融樹脂をダイ内へ射出し、パリソンを作ります。
その後、
- ブロー金型へ移動
- 圧縮空気を吹き込む
- 製品形状に膨らませる
という流れで成形します。
■ 基本工程
① 樹脂を溶融
↓
② ダイ内へ射出
↓
③ パリソンを形成
↓
④ ブロー金型へ移動
↓
⑤ 圧縮空気を吹き込む
↓
⑥ 冷却・取り出し
■ 押出ブロー成形との違い
押出ブロー成形
押出機
↓
パリソンを押し出す
↓
金型で挟む
↓
ブロー
- パリソンは押出機から連続的に作られる
ダイ内射出方式(射出ブロー成形)
射出
↓
ダイ内でパリソン形成
↓
ブロー
- パリソンは射出成形で作られる
■ 特徴
● パリソン寸法が正確
射出成形なので、
- 肉厚
- 重量
のばらつきが少なくなります。
● 口部精度が高い
ねじ部なども高精度に成形できます。
そのため、
- 医薬品容器
- 化粧品容器
などに適しています。
● バリが少ない
押出ブロー成形より仕上がりがきれいです。
■ 主な用途
- 医薬品ボトル
- 点眼容器
- 化粧品ボトル
- 小型飲料容器
- 試薬容器
■ メリット
- 高精度
- 肉厚が均一
- 外観品質が良い
- ネック部の寸法精度が高い
- バリが少ない
■ デメリット
● 大型製品には不向き
比較的小型容器向けです。
● 設備が複雑
射出装置とブロー装置の両方が必要です。
● 金型費が高い
精密な金型が必要になります。
■ よくある不良
- 肉厚ムラ
- ブロー不足
- 白化
- ネック部変形
- バリ
■ 現場的な理解
シンプルに言うと、
「射出成形でパリソンを作ってからブロー成形する方式」
です。
■ 射出延伸ブローとの違い
以前ご説明した**ストレッチブロー成形(射出延伸ブロー成形)**では、
- パリソンを再加熱
- 縦方向に延伸
- ブロー
という工程が加わります。
一方、ダイ内射出方式(射出ブロー成形)では、
通常は延伸を行わず、そのままブロー成形します。
■ 重要なポイント
ダイ内射出方式は、
「射出成形の寸法精度」と「ブロー成形の中空構造」を組み合わせた成形法
です。
特に、口部の精度や外観品質が重視される小型容器の製造で大きな力を発揮します。
用語について
「ダイ内射出方式」という表現は資料によって使われることがありますが、現在の成形加工の現場では、「射出ブロー成形(Injection Blow Molding)」という名称の方が一般的です。用語集で「ダイ内射出方式」とあれば、「射出ブロー成形のパリソン形成方式を指している」と理解するとよいでしょう。


コメント