スプレーアップ(Spray-up Method)とは、主にFRP(繊維強化プラスチック)の成形方法の一つで、樹脂とガラス繊維をスプレーガンで型に吹き付けて成形する方法です。
特に、
- 浴槽
- ボート・船体
- 浄化槽
- 自動車部品
- タンク
など、大型FRP製品でよく使われます。
1. どんな成形法?
ガラス繊維(ロービング)を切断しながら、樹脂と同時に型へ吹き付ける成形法です。
流れとしては、
型 → 離型剤 → ゲルコート → スプレーアップ → 脱泡 → 硬化
という工程になります。
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2. 成形工程
① 型準備
型(モールド)に、
- 離型剤
- ワックス
を塗布します。
成形品を外しやすくするためです。
② ゲルコート塗布
表面品質向上のため、
ゲルコート樹脂
を先に塗ります。
これが外観面になります。
③ スプレーアップ
専用ガンで、
- 樹脂(不飽和ポリエステルなど)
- 硬化剤
- chopped glass fiber(短く切ったガラス繊維)
を同時噴射します。
ガラス繊維はガン内部でカットされます。
④ 脱泡(ローラー作業)
重要工程です。
ローラーで押さえ、
- 気泡除去
- 繊維含浸(がんしん)
を行います。
これを怠ると強度低下します。
⑤ 硬化・離型
硬化後に型から外します。
3. 特徴(メリット)
① 大型製品向き
大きい製品でも比較的作りやすいです。
② 金型費が安い
高圧金型が不要。
→ 少量生産向き
③ 複雑形状OK
曲面や大型曲線に対応しやすいです。
④ 作業自由度高い
肉厚調整しやすい。
4. デメリット
品質ばらつき
作業者依存が大きい。
→ 厚みムラ
気泡が入りやすい
脱泡不足で、
- ボイド
- 強度低下
発生。
作業環境
スチレン臭などが問題。
換気が重要です。
強度方向性が弱い
ランダム短繊維なので、
積層方向強度はハンドレイアップより劣る場合があります。
5. ハンドレイアップとの違い
| 項目 | スプレーアップ | ハンドレイアップ |
|---|---|---|
| 繊維供給 | 吹付 | 手積み |
| 生産性 | 高い | 低い |
| 品質安定 | 普通 | 高い |
| 複雑形状 | 強い | 強い |
| 大量生産 | やや向く | 不向き |
ハンドレイアップ
→ ガラスマットを手で敷く
スプレーアップ
→ 吹き付けながら積層
です。
6. 現場で多い不良
| 不良 | 原因 |
|---|---|
| 気泡 | 脱泡不足 |
| 白化 | 含浸不足 |
| 剥離 | 硬化不良 |
| 強度不足 | ガラス量不足 |
| 表面ピンホール | 空気巻込み |
よく使う材料
- 不飽和ポリエステル樹脂
- ビニルエステル樹脂
- ガラスロービング
- 硬化剤(MEKPOなど)
ひとことで言うと:
スプレーアップは「ガラス繊維と樹脂を吹き付けてFRPを作る、大型・少量生産向けの成形法」で、浴槽や船体などの大型FRP製品によく使われます。


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