スラッシュ成形(Slush Molding)とは、加熱した金型の内面に粉末状樹脂を溶着させ、中空で柔らかい製品を作る成形法です。
主に、
- 自動車の内装表皮(インパネ表皮)
- ソフトパッド
- 人形・玩具
- 装飾部品
など、柔らかく質感を重視する製品に使われます。
1. どんな成形法?
簡単に言うと、
「熱い金型の内側に粉末樹脂を付着・溶融させて皮膜を作る方法」
です。
成形後、中空または薄肉の製品になります。
流れのイメージ:
加熱金型 → 粉末投入 → 樹脂が内面で溶ける → 余分排出 → 冷却 → 離型
です。
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2. 成形工程
① 金型加熱
金型を加熱します。
一般に金属型を使い、樹脂が溶ける温度まで温めます。
② 粉末樹脂投入
型の中へ粉末樹脂を入れます。
代表材料:
- ポリ塩化ビニル(PVC)
- 熱可塑性エラストマー(TPE)
③ 溶融・付着
型を回転・反転しながら、粉末を内面へ接触させます。
接触部分だけが溶けて皮膜になります。
④ 余剰粉排出(スラッシュ)
溶けなかった粉を排出します。
この工程名の「slush(流し出す)」が由来です。
⑤ 冷却・離型
冷やして固化し、製品を取り出します。
3. 特徴(メリット)
① 柔らかい触感が出せる
最大の特徴です。
自動車のダッシュボードなどの
ソフトな手触り
に向いています。
② シボ模様再現性が高い
金型表面をよく転写できます。
革調・高級感ある表面に向きます。
③ 中空・薄肉が得意
軽量化に有利です。
④ 金型圧力が不要
高圧射出しないため、
大きな型締力が不要です。
4. デメリット
サイクルが長い
加熱・冷却工程が必要。
→ 生産性低め
肉厚精度に限界
温度条件で変動しやすい。
材料制約
粉末化しやすい樹脂に限定されます。
5. 回転成形との違い
少し似ています。
| 項目 | スラッシュ成形 | 回転成形 |
|---|---|---|
| 樹脂 | 粉末 | 粉末 |
| 肉厚 | 薄肉 | 厚肉可能 |
| 用途 | 表皮 | タンク・大型品 |
| 余剰粉 | 排出する | 基本残す |
スラッシュ成形
→ 薄い皮膜を作る
回転成形
→ 容器全体を成形
です。
6. 主な用途
自動車
- インパネ表皮
- ドアトリム表皮
- コンソール表面
工業・玩具
- 人形外皮
- 装飾部材
特に自動車内装では、見た目と触感のために重要です。
現場で多い不良
| 不良 | 原因 |
|---|---|
| 肉厚ムラ | 温度ムラ |
| ピンホール | 溶融不足 |
| 表面不良 | 金型汚れ |
| 剥離 | 冷却不良 |
ひとことで言うと:
スラッシュ成形は「加熱型に粉末樹脂を溶着させ、柔らかい薄肉表皮を作る成形法」で、自動車内装の“しっとりした触感”を作る技術として有名です。


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