セルフワイピング(Self-Wiping)とは、主に同方向回転二軸押出機において、2本のスクリューがお互いの表面をかき取るように回転し、樹脂の滞留を防ぐ作用のことです。
■ 基本イメージ
2本のスクリューがかみ合いながら回転すると、
→◎ ◎←
互いのフライト(羽根)が相手のフライト近くを通過し、
相手の表面に付着した樹脂をこそぎ取る
ような動きになります。
これをセルフワイピングと呼びます。
■ なぜ重要なのか
単軸押出機やセルフワイピングのない構造では、
- 樹脂が溝に残る
- 滞留が発生する
- 熱劣化が起こる
ことがあります。
セルフワイピング作用があると、
樹脂が常に更新される
ため、滞留が大幅に減ります。
■ 仕組み
同方向回転二軸押出機では、
スクリューA ⇄ スクリューB
のフライト同士が非常に近い間隔で配置されています。
回転すると、
- 樹脂を前へ送る
- 相手スクリュー表面をかき取る
- 新しい樹脂と入れ替える
という動きが連続して起こります。
■ メリット
● 滞留が少ない
熱履歴を減らせます。
● 焼けが発生しにくい
樹脂劣化の抑制につながります。
● 色替えが速い
古い樹脂が残りにくいため、
パージ時間を短縮できます。
● 混練効率が高い
材料が繰り返し分割・合流するため、
分散・混合性能が向上します。
■ 主な用途
- コンパウンド製造
- マスターバッチ製造
- フィラー高充填材料
- エンプラ混練
- リサイクル材処理
■ セルフワイピングが弱い場合
発生しやすい問題:
- 黒点
- 焼け
- ゲル
- 色替え不良
■ 単軸押出機との違い
単軸押出機
◎
スクリュー1本
自己清掃能力が低い
同方向回転二軸押出機
◎◎
2本がかみ合う
セルフワイピング作用が強い
■ 現場的な理解
シンプルに言うと、
「スクリュー同士が互いを掃除しながら回転する仕組み」
です。
■ 重要なポイント
セルフワイピングは、
二軸押出機が高い混練性能と低滞留性を持つ大きな理由
の一つです。
そのため、熱に弱い樹脂や色替えの多いコンパウンド工程では特に大きなメリットになります。
覚え方
- Self = 自己
- Wiping = ぬぐう・かき取る
つまり、
「お互いを自動的に掃除する作用」
と覚えると分かりやすいです。


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