スパンボンド法(Spunbond Process/スパンボンド不織布法)とは、熱可塑性樹脂を溶かして細い繊維(フィラメント)にし、そのままシート状に積層・接着して不織布を作る製法です。
主に、
- 衛生用品(おむつ・マスク部材)
- 農業用シート
- 建築用透湿防水シート
- フィルター
- 包装材
などで広く使われています。
1. 不織布とは?
通常の布は「糸を織る・編む」ことで作ります。
一方、不織布(ふしょくふ)は、
織らず・編まずに繊維を絡ませて作る布状材料
です。
スパンボンド法は、その代表的な製法の一つです。
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2. スパンボンド法の工程
流れをシンプルにすると、
樹脂 → 溶融 → 紡糸 → 延伸 → シート化 → 熱圧着
です。
① 樹脂を溶かす
主に使われる樹脂:
- ポリプロピレン(PP)
- ポリエステル(PET)
- ポリエチレン(PE)
を押出機で溶融します。
② 紡糸(ぼうし)
多数の小孔(ノズル)から糸状に押し出します。
非常に細い連続繊維(フィラメント)になります。
③ 延伸(えんしん)
空気などで引っ張り、繊維を細く・強くします。
これで強度が出ます。
④ ウェブ形成
ベルトコンベヤ上へランダムに積層。
「ふわっとした繊維層(ウェブ)」を作ります。
⑤ 熱圧着(エンボスロール)
加熱ロールで部分融着し、
不織布として強度を出す
工程です。
3. 特徴(メリット)
① 生産速度が速い
繊維化からシート化まで連続工程。
→ 大量生産向き
② 強度が高い
連続フィラメントなので、
短繊維不織布より強度が出やすいです。
③ コストが低い
大量生産に向き、
比較的安価です。
④ 通気性が良い
細繊維構造なので、
- 通気性
- 軽量性
があります。
4. デメリット
柔らかさがやや弱い
製法によっては硬めになりやすい。
そのため、
メルトブロー法と組み合わせる
ことがあります。
(SMS不織布など)
5. メルトブロー法との違い
| 項目 | スパンボンド | メルトブロー |
|---|---|---|
| 繊維径 | 太め | 極細 |
| 強度 | 高い | 低め |
| フィルター性 | 普通 | 高い |
| 生産性 | 高い | やや低い |
よくある構造:
SMS構造
S(スパンボンド)
M(メルトブロー)
S(スパンボンド)
これで、
- 強度
- フィルター性能
を両立します。
6. 主な用途
衛生分野
- マスク
- おむつ
- 医療ガウン
建築
- 防水透湿シート
農業
- 防草シート
- 保温シート
工業
- フィルター
- 包装資材
現場的なトラブル
糸切れ
→ 温度・吐出不安定
ムラ
→ エアバランス不良
強度不足
→ 延伸不足・圧着条件不良
毛羽立ち
→ 接着不足
ひとことで言うと:
スパンボンド法は「樹脂から直接連続繊維を作り、そのままシート化して不織布を作る大量生産向け製法」で、強度・コスト・生産性に優れる不織布技術です。


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