真空バッグ成形

真空バッグ成形(バキュームバッグ成形)は、積層した材料を袋(バッグ)で密封し、内部を真空にして大気圧で圧締しながら硬化させる成形方法です。
主にFRP(繊維強化プラスチック)で使われ、航空機やスポーツ用品などで重要な技術です。


■ 基本イメージ

 「ラップで包んで空気を抜き、外から押さえつけて固める」


■ 基本構成

  • 積層材(ガラス繊維・カーボン繊維+樹脂)
  • 真空バッグフィルム
  • シール材(テープ)
  • 真空ポンプ
  • ブリーザー/ブリーダー材

■ 工程の流れ

① 金型に繊維と樹脂を積層

② バッグフィルムで密封

③ 真空ポンプで空気を抜く

④ 大気圧で圧縮(約0.1MPa)

⑤ 加熱して硬化(必要に応じて)

⑥ バッグを外して脱型


■ なぜ真空にするのか(重要)

  • 空気(ボイド)を除去
  • 繊維をしっかり密着
  • 余分な樹脂を排出

  品質向上に直結


■ メリット

  • ボイドが少ない(高品質)
  • 繊維含有率が高い(強度UP)
  • 比較的低コスト(オートクレーブ不要)
  • 大型製品にも対応

■ デメリット・課題

  • 圧力が大気圧まで(約1気圧)
  • 手作業が多くバラつきやすい
  • バッグの密封不良リスク

■ 技術ポイント

● 真空度

  • 高いほどボイド減少
  • 漏れがあると一気に品質低下

● 積層設計

  • 繊維方向
  • 樹脂量

● 脱泡・樹脂流動

  ブリーザー材の配置が重要


■ よくあるトラブル

● ボイド(気泡)

→ 真空漏れ/脱泡不足

● ドライスポット(樹脂不足)

→ 樹脂流動不良

● しわ・ズレ

→ バッグの張り不足


■ 他の成形法との違い

● ハンドレイアップ

  • 圧力なし
  • 品質ばらつき大

● 真空バッグ成形

  大気圧で圧縮 → 品質向上


● オートクレーブ成形

  高圧・高品質(さらに上位)


■ 現場的な理解

シンプルに言うと:

 「空気を抜いて外から押さえて固める」

です。


■ 重要な考え方

品質は:

 「真空の維持 × 樹脂の流れ」

で決まります。


■ よく使われる分野

  • 航空機部品
  • スポーツ用品(カーボン)
  • ボート・船舶
  • 風力発電ブレード

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