厚物シート成形とは?(Thermoforming of Thick Sheets)
3mm〜25mm 程度の厚い樹脂シートを加熱し、型へ真空・加圧で成形する方法です。
「真空成形」「圧空成形」の仲間ですが、薄物(〜1mm)とは用途も設備も別ものになります。
よく使われる素材:
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ABS
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PMMA(アクリル)
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PC
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PP
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PE
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PETG
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ASA
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PVC
成形の流れ(工程)
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シートをオーブンで加熱
厚いので均熱に時間がかかる。
赤外線ヒーター + 熱風の組み合わせが一般的。 -
型へ移動し、真空 or 圧空で成形
厚物は圧空成形(真空+加圧)が多い。
複雑形状も押し付けて再現可能。 -
冷却
エアブローや冷却水で急冷することもある。 -
型から離型
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トリミング(切削)
厚物は CNC ルーターで切断・穴あけ加工することがほとんど。
厚物シート成形の特徴
◎ メリット
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大型外装品を作れる(〜数 m クラス)
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射出成形より 金型が圧倒的に安い
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外観が良い(特に ABS/アクリル積層)
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低〜中ロットに向く(数十〜数千個)
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肉厚が確保でき、剛性が高い
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材料に着色済みのシートを使えるため外観が安定
× デメリット
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射出成形より寸法精度は劣る
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アンダーカット形状は苦手
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トリミング工程が必須で手間がかかる
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分布肉厚は均一ではない(深絞り部が薄くなる)
厚物シート成形は何に使う?(用途)
主に 大型で外観が求められる部品 で多く使われます。
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医療機器・検査装置の外装
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自動販売機・ATM の外装パネル
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タクシー・バスの内装部品
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バイク・スノーモービルのカウル
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電動カート・介護用車両の外装
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産業機器のカバー
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各種ディスプレイ什器
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梱包用の大型トレー
射出だと金型が数千万〜億になるような大型品も、
厚物シート成形なら 1/10〜1/30 程度の金型コストで製造できます。
成形時に起こりがちな問題と対策
■ 肉厚が薄くなる(深絞り部)
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予備延伸(プレスアシスト)を使う
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上下ヒーターを調整して加熱ムラを作る(中央厚、縁薄)
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材質選定(ABS > PP、PCは粘性高い)
■ 気泡・ざらつき
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シートの予乾燥
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加熱温度の見直し
■ 変形・歪み
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冷却不足
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型温が高すぎる
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