厚物シート成形

厚物シート成形とは?(Thermoforming of Thick Sheets)

3mm〜25mm 程度の厚い樹脂シートを加熱し、型へ真空・加圧で成形する方法です。
「真空成形」「圧空成形」の仲間ですが、薄物(〜1mm)とは用途も設備も別ものになります。

よく使われる素材:

  • ABS

  • PMMA(アクリル)

  • PC

  • PP

  • PE

  • PETG

  • ASA

  • PVC

成形の流れ(工程)

  1. シートをオーブンで加熱
     厚いので均熱に時間がかかる。
     赤外線ヒーター + 熱風の組み合わせが一般的。

  2. 型へ移動し、真空 or 圧空で成形
     厚物は圧空成形(真空+加圧)が多い
     複雑形状も押し付けて再現可能。

  3. 冷却
     エアブローや冷却水で急冷することもある。

  4. 型から離型

  5. トリミング(切削)
     厚物は CNC ルーターで切断・穴あけ加工することがほとんど。

厚物シート成形の特徴

◎ メリット

  • 大型外装品を作れる(〜数 m クラス)

  • 射出成形より 金型が圧倒的に安い

  • 外観が良い(特に ABS/アクリル積層)

  • 低〜中ロットに向く(数十〜数千個)

  • 肉厚が確保でき、剛性が高い

  • 材料に着色済みのシートを使えるため外観が安定

× デメリット

  • 射出成形より寸法精度は劣る

  • アンダーカット形状は苦手

  • トリミング工程が必須で手間がかかる

  • 分布肉厚は均一ではない(深絞り部が薄くなる)

厚物シート成形は何に使う?(用途)

主に 大型で外観が求められる部品 で多く使われます。

  • 医療機器・検査装置の外装

  • 自動販売機・ATM の外装パネル

  • タクシー・バスの内装部品

  • バイク・スノーモービルのカウル

  • 電動カート・介護用車両の外装

  • 産業機器のカバー

  • 各種ディスプレイ什器

  • 梱包用の大型トレー

射出だと金型が数千万〜億になるような大型品も、
厚物シート成形なら 1/10〜1/30 程度の金型コストで製造できます。

成形時に起こりがちな問題と対策

■ 肉厚が薄くなる(深絞り部)

  • 予備延伸(プレスアシスト)を使う

  • 上下ヒーターを調整して加熱ムラを作る(中央厚、縁薄)

  • 材質選定(ABS > PP、PCは粘性高い)

■ 気泡・ざらつき

  • シートの予乾燥

  • 加熱温度の見直し

■ 変形・歪み

  • 冷却不足

  • 型温が高すぎる

  • サポート治具の追加

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