スパイラル方式(Spiral Mandrel Die Method/スパイラルマンドレル方式)とは、主にブローフィルム・パイプ・チューブなどの中空押出成形で使われるダイ構造で、樹脂を螺旋(スパイラル)状の流路で均一に分配して成形する方式です。
前に出てきたスパイダー方式の改良型・高性能版と考えるとイメージしやすいです。
1. なぜ必要なの?
スパイダー方式では、
支持脚で樹脂が分流 → 再合流
するため、どうしても
- ウェルドライン
- スパイダーマーク
- 肉厚ムラ
が出やすいという弱点があります。
そこで考えられたのが、樹脂を最初から均一に周方向へ分配する方法です。
それがスパイラル方式です。
2. どんな構造?
内部に螺旋状(らせん状)の溝があります。
押出機から来た溶融樹脂は、
- 中央から入る
- 螺旋溝へ分配される
- 円周方向へ均一に広がる
- 重なりながら流れる
- 均一な円筒状で押し出される
という流れです。
つまり、
「何本もの細い樹脂流をぐるっと均一に巻きながら混ぜる」
イメージです。
3. 特徴(メリット)
① 肉厚が均一
最大のメリットです。
樹脂が周方向へ均等に流れるため、
- 偏肉が少ない
- 真円度が高い
- 厚み安定
になります。
② ウェルドラインが目立ちにくい
スパイダー脚による「分流→再合流」がないため、
- スパイダーマーク減少
- 外観品質向上
- 強度向上
が期待できます。
③ 高品質フィルム向き
特に:
- インフレーションフィルム
- 多層フィルム
- 高精度チューブ
で強みがあります。
4. デメリット
構造が複雑
内部加工が難しいため、
- 製作費高い
- メンテが難しい
- 洗浄時間が長い
という弱点があります。
滞留しやすい
螺旋流路に樹脂が残りやすく、
- ヤケ
- 黒点
- 材料替え時間増加
が起きることがあります。
5. スパイダー方式との比較
| 項目 | スパイダー方式 | スパイラル方式 |
|---|---|---|
| 構造 | 簡単 | 複雑 |
| コスト | 安い | 高い |
| 清掃性 | 良い | やや悪い |
| ウェルドライン | 出やすい | 少ない |
| 肉厚均一性 | 普通 | 良い |
| 外観品質 | 普通 | 高品質 |
6. 主な用途
よく使われるのは:
- ブローフィルム
- 食品包装フィルム
- 高精度チューブ
- 医療用チューブ
- ガス管・精密パイプ
です。
外観や寸法精度が重要な製品で多く採用されます。
7. 現場での注意点
ヤケ(樹脂劣化)
→ 滞留部発生
色替えに時間
→ 流路が複雑
温度管理重要
→ 温度差で偏肉発生
洗浄性
→ パージ条件が重要
ひとことで言うと:
スパイラル方式は「樹脂を螺旋状に均一分配して、中空押出品を高品質に作る方式」で、スパイダー方式より品質重視の構造です。特に偏肉やスパイダーマークを減らしたいときに強みがあります。


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