PEEK(Poly Ether Ether Ketone/ポリエーテルエーテルケトン) は、
スーパーエンジニアリングプラスチックの一種で、
高温・高強度・耐薬品性に非常に優れた樹脂 です。
航空機、半導体装置、医療機器、自動車、電気・電子分野など、
「金属代替」が求められる高性能部品に使われています。
基本情報
| 項目 |
内容 |
| 名称 |
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK) |
| 英名 |
Polyetheretherketone |
| 樹脂分類 |
結晶性スーパーエンジニアリングプラスチック |
| 比重 |
約 1.30 |
| 成形温度 |
約 360〜400℃(高温) |
| 金型温度 |
約 160〜200℃(高温) |
特徴・性質
| 特性 |
内容 |
| 耐熱性 |
連続使用温度約250℃、短時間で300℃以上にも耐える |
| 機械強度 |
高温下でも剛性・強度を維持。金属代替が可能 |
| 耐薬品性 |
濃硫酸以外のほとんどの薬品に耐える |
| 耐摩耗性 |
摩耗に強く、摺動部品に最適 |
| 寸法安定性 |
熱膨張が小さく、高精度部品に向く |
| 難燃性 |
自己消火性(UL94 V-0)を有する |
| 電気特性 |
高温・高湿でも絶縁性を保持 |
| 耐放射線性 |
放射線劣化が極めて少ない(医療・原子力用途) |
PEEKの種類
PEEKは添加物や強化材によって用途が分かれます。
| 種類 |
特徴 |
主な用途 |
| 純PEEK(ノンフィラー) |
高純度で電気絶縁性に優れる |
半導体・医療 |
| ガラス繊維強化(30%GF) |
剛性・耐熱性が大幅向上 |
構造部品・金属代替 |
| カーボン繊維強化(30%CF) |
高強度・高耐摩耗・導電性あり |
ギヤ・ベアリング・摺動部 |
| 潤滑材入り(PTFE・グラファイトなど) |
摩擦係数が小さく滑り性向上 |
摺動パーツ・スライド部品 |
用途例
| 分野 |
主な用途 |
| 自動車 |
エンジン周辺部品、ギヤ、ベアリング、センサー部 |
| 航空機 |
軽量・耐熱部品、電装部品、接続部材 |
| 半導体装置 |
ウェハー搬送部、絶縁ホルダー |
| 医療機器 |
手術用器具、人工骨・人工椎間板(生体適合性あり) |
| 電気・電子 |
絶縁コネクタ、ソケット、絶縁板 |
| 化学プラント |
ポンプ部品、バルブ、シール、ガスケット |
成形上の注意点
PEEKは性能が高い分、成形難易度も高めです。
| 注意点 |
内容 |
| 高温樹脂(約400℃) |
シリンダ・ノズルは高耐熱鋼が必要 |
| 金型温度高め(160〜200℃) |
結晶化を促進し、物性を安定させる |
| 乾燥必須 |
吸湿によるガスや表面荒れを防ぐ(150℃×3時間程度) |
| 成形圧力が高い |
高粘度のため高圧射出が必要 |
| ゲート設計重要 |
小ゲートだと充填不足になりやすい |
| 離型性 |
結晶化が進むと収縮が大きく、離型が難しくなることもある |
成形トラブル例と対策
| トラブル |
原因 |
対策 |
| 銀条(スジ状模様) |
含水・乾燥不足 |
充分な乾燥(150℃×3h) |
| 充填不足 |
樹脂温度・金型温度が低い |
温度を上げ、射出速度も上げる |
| 寸法バラつき |
結晶化ムラ |
金型温度を安定させる |
| ヒケ・反り |
厚肉・不均一冷却 |
肉厚設計・冷却均一化 |
まとめ
| 項目 |
内容 |
| 名称 |
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン) |
| 分類 |
結晶性スーパーエンプラ |
| 特徴 |
高耐熱・高強度・耐薬品・耐摩耗・難燃 |
| 使用温度 |
連続250℃前後 |
| 主な用途 |
航空・自動車・半導体・医療・化学装置 |
| 注意点 |
成形温度が高く、乾燥・金型温度管理が重要 |
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