コートハンガーダイ(Coat Hanger Die)とは、
フィルムやシートを押出成形する際に使われるダイの一種で、
樹脂を幅方向に均一に分配するための流路構造を持つダイのことです。
名前の通り
洋服のハンガー(コートハンガー)のような形状の流路をしています。
■ 基本イメージ
押出機から出た樹脂は一点から供給されますが、そのままだと:
- 中央が厚い
- 端が薄い
そこでコートハンガーダイを使うと
横方向に均一に広げて吐出できる
■ 構造(ここが重要)
内部の流路はこんな感じです
- 中央から樹脂が入る
- 左右に広がる(枝分かれ)
- 途中で流量バランスが調整される
- 最後にスリットから均一に出る
流路の長さ・抵抗を調整して均一化している
■ なぜ均一になる?
ポイントは「圧力分布」です:
- 端に行くほど流路を長くする
- 流れにくくしてバランスを取る
結果
幅方向で同じ流量になる
■ 主な用途
- フィルム成形(Tダイフィルム)
- シート成形
- ラミネート加工
特に平板(フラット)製品で重要
■ メリット
◎ 厚みが均一
- 製品精度が高い
◎ 幅方向のバラツキが少ない
- 品質安定
■ デメリット
▲ 設計が難しい
- 樹脂ごとに最適形状が違う
▲ 調整に限界
- 完全補正はできない → 微調整は別機構が必要
■ 現場での重要ポイント
● 温度分布
- 左右で温度差 → 流動差 → 厚みムラ
● 計量ポンプとの組み合わせ
かなり重要です
- 流量が安定 → ダイ性能が活きる
● リップ調整
- 最終的な厚み微調整はリップで行う
■ よくあるトラブル
- 端薄・中央厚 → 流量バランス不良
- 厚みムラ → 温度・圧力不均一
- ライン状ムラ → 汚れ・流れ不良
■ 関連用語
これまでの内容と強くつながります
- ダイ
- 計量ポンプ
- 牽引流れ
- クロス延伸
- ラミネート
■ まとめ
コートハンガーダイとは:
樹脂を幅方向に均一に広げるための流路設計を持つダイ


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