PBT（ポリブチレンテレフタレート）とは
PBTは 結晶性のエンジニアリングプラスチック で、
寸法安定性・耐熱性・電気特性・耐薬品性に優れる 樹脂です。
電装部品、自動車部品など精密性が求められる分野でよく使われます。
主な特徴
| 特性 | 内容 |
|---|---|
| 流動性良好 | 成形しやすく、薄肉充填に強い |
| 寸法精度が高い | 収縮が比較的小さい |
| 吸水率が低い | 成形後の寸法変化が少ない |
| 耐熱性良い | 連続使用温度 約120℃前後 |
| 電気絶縁性◎ | コネクタ用途に最適 |
| 耐薬品性◎ | 溶剤・油・燃料などに強い |
| 摩耗に強い | スライダーやギヤにも使用可 |
欠点
| 欠点 | 内容 |
|---|---|
| ウェルドが目立つ | 白くなる、強度低下 |
| 反りやすい | 結晶性＋GF配向の影響 |
| 熱劣化しやすい | 滞留で分解、ガス発生 |
| ガラス繊維で摩耗性大 | 金型・スクリューの摩耗に注意 |
PBTの種類
| 種類 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| ノンフィラー | 流動性高い、表面良い | 電気部品、コネクタ |
| GF（ガラス繊維）強化 | 高剛性、耐熱、寸法安定 | 自動車部品、ギヤ |
| 難燃グレード | UL94 V-0対応 | 電装、EV関連 |
| アロイ（PBT+PCなど） | 衝撃改善、表面性UP | 外装部品、電子ケース |
射出成形条件の目安
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 樹脂温度 | 240〜270℃ |
| 金型温度 | 60〜120℃（80℃以上推奨） |
| 乾燥 | 120〜150℃ × 2〜4時間 |
| 射出 | 中速〜高速 |
| 収縮率 | 0.8〜2.0%（GFで低下） |
| ゲート | ピン、サイド、ファン、サブマリン |
※金型温度が低いと表面荒れ・結晶不足・強度低下に繋がる
よくある不良と対策
| 不良 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| ウェルドライン | 流動不足、結晶化 | 射出速度UP、金型温度UP |
| ガス焼け | 排気不足 | ベント追加、射出速度最適化 |
| 反り | GF配向、肉厚差 | ゲート位置最適化、金型温度均一 |
| シルバー | 水分、ガス | 乾燥徹底、樹脂滞留防止 |
用途例
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電気コネクタ、スイッチ
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自動車部品（センサーケース、ワイパー部品）
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ギヤ・ベアリング・スライダー
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電子基板周辺部品
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小型モーター部品
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家電外装、トースター、アイロン等
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 性質 | 精密・耐熱・電装部品向けの結晶性樹脂 |
| 成形 | 流動性良、金型温度高め、乾燥必須 |
| 注意点 | 反り、ウェルド、ガス焼け |
| 用途 | 自動車・電気電子・ギヤ・機構部品 |
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