型閉時間とは?
金型を開いた状態から閉じるまでにかかる時間のことです。
射出成形サイクルの中で「型開き → 型閉じ → 射出」の流れが毎回繰り返されますが、その中の「型を閉じる動作」に要する時間が「型閉時間」です。
型閉時間の位置づけ
射出成形サイクルの主な構成:
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型開時間(成形品取り出しなど)
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型閉時間 ← ここ!
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射出充填時間
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保圧時間
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冷却時間
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スクリュー戻し(計量)時間
型閉時間が影響すること
影響項目 | 内容 |
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サイクルタイム | 型閉が遅いと全体の成形時間が長くなる |
生産性 | 型閉が速いと成形回数が増えて生産性向上 |
安全性 | 速すぎる型閉は金型や人に危険を及ぼす場合も |
型寿命 | 無理な高速型閉は型摩耗や破損の原因に |
型閉時間の目安
通常の射出成形では、以下が一般的です。
成形機サイズ | 型閉時間(目安) |
---|---|
小型機(〜100t) | 0.5〜1.5秒 |
中型機(〜350t) | 1〜3秒 |
大型機(500t〜) | 2〜5秒 |
※高速成形機はさらに速い設定も可能
※安全・品質・型寿命とのバランスが大事
型閉時間を決める要素
要素 | 内容 |
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型閉速度 | 高速 or 低速設定(機械で調整可能) |
型構造 | 精密金型はゆっくり閉じる場合が多い |
安全装置 | 安全確認後に高速型閉になる機械も多い |
製品要求 | 薄肉・高速成形は速め、精密成形は慎重に閉じる |
型閉速度のよくある制御
多くの射出成形機では、型閉動作を3段階に分けて制御します。
区間 | 動作 | 目的 |
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① 初速(低速) | ゆっくり閉じ始める | 安全確認・型噛み防止 |
② 高速閉 | 一気に閉じる | サイクル短縮 |
③ 金型合わせ(低速) | ゆっくり密着させる | 型保護・ガイドピン合わせ |
型閉時間短縮のコツ
方法 | 効果 |
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安全装置の最適化 | 不要な停止を減らす |
型閉プロファイルの最適化 | 速度切替位置の調整 |
定期メンテナンス | 油圧・ガイドの摩耗防止 |
まとめ
項目 | 内容 |
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名称 | 型閉時間(Mold Closing Time) |
意味 | 金型が閉じ終わるまでの時間 |
目安 | 通常 1〜3秒程度 |
調整要素 | 速度プロファイル、安全確認、型構造 |
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