スパイダー方式

スパイダー方式(Spider Die Method/スパイダーダイ方式)とは、主にパイプ・チューブ・インフレーションフィルム(ブロー成形用フィルム)の押出成形で使われる、中空製品を作るためのダイ構造の一つです。

名前の由来は、内部の支持構造がクモ(Spider)の脚のように見えることからです。

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1. どんな方式?

中空品(ホース・パイプ・フィルムなど)を作るときは、ダイ中心にマンドレル(芯金)を置いて空洞を作ります。

しかし、芯金を空中に浮かせることはできないため、支える構造が必要です。

そこで使われるのがスパイダー(支持脚)です。

イメージ:

樹脂流れ → 支持脚を避けて分流 → 後ろで再合流 → 中空形状になる

つまり、

「脚で芯を支え、その周囲を樹脂が流れる構造」

です。

2. 構造

中央のマンドレルを数本(通常3~8本程度)の支持脚で固定します。

樹脂はその脚を避けるため、

  1. 分流する
  2. 脚の後ろで再合流する
  3. 円筒形状で押し出される

という流れになります。

3. メリット

① 構造がシンプル

比較的設計しやすく、

  • 製作コストが低い
  • メンテしやすい
  • 分解洗浄が容易

という利点があります。

② 高粘度材料でも使いやすい

流路が比較的単純なので、

  • 高粘度樹脂
  • 充填材入り樹脂

にも対応しやすいです。

③ パイプ成形に適している

特に、

  • チューブ
  • ホース
  • パイプ

でよく使われます。

4. デメリット(重要)

ウェルドライン(融合線)が出る

最大の弱点です。

支持脚で分かれた樹脂が再び合流する際、

再合流部に筋(ウェルドライン)ができることがあります。

これにより:

  • 外観不良
  • 強度低下
  • ピンホール起点

になる場合があります。

特に透明品では目立ちやすいです。

5. スパイラル方式との違い

よく比較されるのがスパイラルマンドレル方式です。

スパイダー方式

  • 構造が簡単
  • 安価
  • 清掃しやすい
  • ウェルドラインが出やすい

スパイラル方式

  • 樹脂を螺旋状に均一分配
  • 厚み精度が高い
  • ウェルドが目立ちにくい
  • 高価・構造複雑

使い分けは、

  • 一般パイプ・ホース → スパイダー方式
  • 高品質フィルム・精密用途 → スパイラル方式

が多いです。

6. 現場でのトラブル

① ウェルドライン強度不足

→ 温度低すぎ・融着不足

② 厚みムラ

→ 芯ズレ・センター不良

③ ヤケ

→ 脚周辺の滞留

対策:

  • 樹脂温度最適化
  • ダイ芯出し
  • 清掃管理
  • 押出条件安定化

ひとことで言うと:
スパイダー方式は「脚で芯金を支え、樹脂を分流・再合流させて中空製品を作る、シンプルで実用的なダイ方式」です。ただし、ウェルドラインが弱点になります。

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