金型温度調節機

金型温度調節機(温調機)とは?

金型温度調節機(おんちょうき)は、金型の温度を一定に保つための装置で、冷却・加熱を行いながら、金型に循環させる媒体(温調媒体)を管理します。


 

構成要素

主な構成:

  • ヒーター:加熱用(電気式)

  • ポンプ:媒体を循環させる

  • 冷却回路(熱交換器):冷却水などで温度を下げる

  • 制御パネル:温度設定、警報、タイマーなど

  • 媒体タンク:水またはオイルを貯める

仕組み(基本動作)

  1. 設定温度を入力

  2. ヒーターや冷却回路で媒体(熱媒)を加熱または冷却

  3. 加熱・冷却された媒体をポンプで金型内の配管に循環

  4. 金型の温度を一定にキープ

使用する媒体の種類

媒体 特徴 使用温度範囲
水(水温調機) コスト安・扱いやすい ~120°C程度まで
油(オイル温調機) 高温対応可能 ~200〜300°Cまで(樹脂による)

用途と使い分け

用途 適した温調機
一般成形(ABS, PPなど) 水温調機(40〜80°C程度)
結晶性樹脂やエンジニアリングプラスチック(PBT, LCPなど) オイル温調機(120°C以上)
高精度部品 高温・高精度な温調が可能な機種

温調機を使うメリット

メリット 説明
成形品の安定性 寸法・外観・反りが安定する
サイクル短縮 冷却時間の最適化が可能
歩留まり向上 ウェルドやフローマーク等の不良低減
品質トレーサビリティ 設定温度や履歴の管理がしやすい

注意点・トラブル例

トラブル 原因・対策
温度が上がらない ヒーター断線、センサー不良、配管詰まり
流量が弱い ポンプの故障、エア噛み、スケールの蓄積
漏れ・腐食 冷却水の水質不良、メンテ不足

運用のポイント

  • 使用前の予熱運転が重要(均一な加熱)

  • 定期的な配管洗浄でスケール除去

  • 冷却水にはスケール防止剤の添加推奨

  • 異常時は温調機からのアラーム信号で成形機と連動停止も可能

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