PE

PE(ポリエチレン)とは

PEは熱可塑性樹脂のひとつで、最も多く生産されている汎用プラスチックです。
化学的にはエチレン(C₂H₄)を重合させた樹脂で、柔らかく、耐薬品性に非常に優れるのが特徴です。

主な種類

種類 名称 特徴 主な用途
LDPE 低密度ポリエチレン 柔らかい、透明性、衝撃性、流動性が高い 袋、フィルム、食品包装
LLDPE 直鎖状低密度ポリエチレン LDPEより強く薄くできる、伸びが大きい ストレッチフィルム、パレットラップ
HDPE 高密度ポリエチレン 剛性・耐熱性・耐薬品・耐摩耗に優れる タンク、ボトル、パイプ、コンテナ
UHMWPE 超高分子量PE 非常に摩耗に強い、自己潤滑性 スキー滑走面、人工関節、ギヤ、ライナー

特徴(メリット)

  • 耐薬品性が非常に高い

  • 吸水性がほぼない

  • 電気絶縁性が良い

  • 低温でも割れにくい(耐衝撃)

  • 比重が軽い(0.91–0.96)

  • 成形加工が容易(LDPE / LLDPE / HDPE)

欠点

  • 表面硬度・耐熱性が低め(80~120℃程度)

  • 接着・印刷がしにくい(表面エネルギーが低い)

  • 耐候性が低く、屋外で劣化しやすい(UVで黄変・劣化)

射出成形でのポイント

項目 推奨条件の目安
樹脂温度 170~240℃
金型温度 10~40℃(低めでOK)
流動性 良好(特にLDPEが柔らかい)
収縮率 大(HDPE 約1.5~3.0%)
ゲート形状 フィルムゲート、ピンゲートなど

※収縮が大きいのでヒケ・反り・寸法精度に注意

よくある不良例と対策

不良 原因 対策
ヒケ 収縮が大きい 保圧時間と保圧値確保、ゲート位置改善
反り 肉厚差、結晶化 肉厚均一化、金型温度調整
シルバー 乾燥不要だが水分やボイド 射出速度調整、溶融均一化
輪郭不良 冷却速い 金型温度UP、射出速度UP

用途例

  • ポリ袋、レジ袋

  • 飲料ボトル、シャンプーボトル(HDPE)

  • ガソリンタンク、給水タンク

  • 食品容器

  • 農業フィルム

  • 電線被覆

  • まな板(HDPE)

まとめ

項目 内容
性質 軽い、強い、薬品に強い
成形 流動性が良く成形しやすい
反面 収縮が大きく寸法精度に注意
種類 LDPE / LLDPE / HDPE / UHMWPE

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