射出成形における 投影面積(projected area) とは、
金型を型締方向から見たときの成形品とランナーを含めた見かけの面積 のことをいいます。
つまり、製品やランナーを「上から押さえつけたときの影の面積」のようなイメージです。
投影面積の役割
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型締力の算出に必要
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射出時、溶融樹脂の内圧が金型を開こうとする力(型開き力)がかかる
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この力は 投影面積 × キャビティ内圧 で求められる
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成形機は、この型開き力より大きな型締力を持つ必要がある
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成形機選定の基準
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投影面積が大きいと、必要な型締力も大きくなる
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製品が小さくても、薄肉で広い面積だと大型機が必要になることもある
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型締力の計算例
型開き力=投影面積×成形圧力
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例:投影面積 200 cm² の製品を、キャビティ内圧 400 kg/cm² で成形する場合
型開き力=200×400=80,000 kgf=800 kN
→ 800kN(約80トン)以上の型締力を持つ成形機が必要。
投影面積に含める範囲
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成形品本体
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ランナー
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ゲート部
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インサート金具(必要に応じて)
まとめ
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投影面積 = 型締方向から見たときの製品+ランナーの影の面積
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型締力算出の基本となる値
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投影面積が大きいと必要な型締力も大きくなる
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成形機選定の重要な指標
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