可動プラテンとは?
可動プラテン(movable platen)とは、射出成形機の型締めユニットにある可動側の金型を取り付ける金属製の板(台)のことです。
射出成形機の主要な構造(型締め部):
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「固定プラテン」は機械に固定されていて動きません。
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「可動プラテン」は油圧・電動・トグル式の機構により前後にスライド移動します。
可動プラテンの役割
機能 | 説明 |
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① 金型の開閉 | 成形サイクル中に可動側金型を前後に動かして開閉を行う。 |
② 型締め力の伝達 | トグル機構や油圧装置からの力を受けて、型を強く締める。 |
③ エジェクタ機構搭載 | 成形品を押し出す「突き出しピン」などを取り付け可能。 |
④ センタリング・アライメント | 金型を正確に閉じるための高い剛性と精度が必要。 |
主な構造要素
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タイバー(tie bar):プラテンがスムーズに移動できるようガイドする太い棒
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エジェクタプレート:成形品を押し出すための可動部
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スライド構造:直線的に前後動するためのリニアガイドや案内構造
可動プラテンの設計上の注意
項目 | 内容 |
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剛性 | 成形中の高圧に耐えるため、たわみを最小限に設計する必要あり。 |
精度 | 金型合わせ面の精度確保により、フラッシュ(バリ)などの不良を防止。 |
重量 | 大型成形機では非常に重量があり、動作機構もそれに合わせて強化される。 |
固定プラテンとの違い
項目 | 可動プラテン | 固定プラテン |
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動作 | 前後に動く(開閉) | 固定されて動かない |
金型 | 可動側金型を取付 | 固定側金型を取付(射出ノズル側) |
役割 | 型開き、突き出し、型締め受け側 | 射出成形の樹脂供給口がある側 |
まとめ
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可動プラテンは、射出成形機の金型を開閉するための可動部品。
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強度・精度・直進性が非常に重要。
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金型の突き出し機構や型締め機構の要ともいえる部位。
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