プラテン(Platen)とは、
射出成形機で金型を取り付けるための平板状の部品のことです。
射出成形機には通常、
-
固定プラテン(固定側)
-
可動プラテン(可動側)
-
(大型機では)中間プラテン(タイバーガイド兼用)
の3種類があります。
プラテンの基本構造と役割
| プラテンの種類 | 位置 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 固定プラテン(Fixed Platen) | 射出ユニット側(金型の固定側) | 金型の固定半を取り付ける。ノズルと接する側。 |
| 可動プラテン(Movable Platen) | 金型の開閉方向に動く側 | 金型の可動半を取り付け、型開閉を行う。 |
| 中間プラテン(Intermediate Platen) | 大型成形機に使用される中央部 | 可動プラテンをガイドし、型締め力を均等に伝える。 |
プラテンの構造イメージ
-
プラテンには「タイバー(Tie Bar)」という支柱が通っており、
その上を可動プラテンがスライドして型開閉します。 -
金型は、プラテンにボルトで固定します。
プラテンの主な機能
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| 金型の取付・保持 | 金型を確実に固定し、射出圧や型締圧に耐える。 |
| 型締力の伝達 | クランプ装置(トグル式や直圧式)からの力を金型全体に均等に伝える。 |
| 位置精度の維持 | 金型の中心がズレないように高精度に加工されている。 |
| 冷却・取付機構 | 冷却水配管、金型取付穴、センタリング用ピン穴などを備える。 |
プラテンの種類(構造面での違い)
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| トグル式用プラテン | 可動プラテンがトグルリンクで押される構造。型締め速度が速い。 |
| 直圧式用プラテン | 油圧シリンダで直接押すタイプ。大きな型締力に対応。 |
| 大型機用プラテン | 剛性確保のためリブ構造が多く、変形しにくい設計。 |
プラテンに関わる重要な性能指標
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プラテン変形量 | 射出・型締時にどれだけたわむか。剛性の指標。 |
| 型締力分布 | 金型全体に均等に力がかかっているか。 |
| 平行度 | 固定・可動プラテン間の平行度がズレると製品ムラやバリ発生。 |
| センタリング精度 | ノズル中心と金型中心の位置合わせ精度。 |
プラテンの材料と構造
-
材質:一般に高強度鋳鉄または炭素鋼(鋼板溶接構造)
-
特徴:
-
高い剛性と寸法安定性が必要
-
表面は研磨仕上げで平行度±0.01mm程度の高精度
-
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | プラテン(Platen) |
| 役割 | 金型の取付・保持、型締力の伝達 |
| 種類 | 固定プラテン・可動プラテン・中間プラテン |
| 特徴 | 高剛性・高精度が必要。金型中心精度に直結。 |
| 材質 | 鋳鉄または鋼材 |


コメント