粉砕機(Granulator)とは、
ランナーや不良成形品などのプラスチックを細かく砕く機械のことです。
射出成形では、成形後に出るランナー・スプルーなどを再利用するために粉砕し、
「再生材」として再び成形材料に戻す際に使われます。
主な目的
| 目的 | 内容 |
|---|---|
| 材料の再利用 | ランナーや不良品を粉砕して再使用(コスト削減) |
| 廃棄量の削減 | 環境負荷の低減 |
| 材料供給の安定化 | 再生材を一定サイズにしてホッパー供給しやすくする |
構造と仕組み
粉砕機の基本構造は以下のようになっています。
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投入口からランナーや不良品を入れる
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回転刃が材料を固定刃に押しつけて切断
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一定サイズ以下になった破片がスクリーンを通過し、排出されます
種類(分類)
用途や構造によって、主に次のように分けられます。
| 種類 | 特徴・用途 |
|---|---|
| 低速粉砕機(スロースピード) | 低回転(約20〜50rpm)で静音。成形機横に設置し、ランナー専用などに使用 |
| 高速粉砕機 | 回転数が高く(200〜800rpm)、大量処理向き。不良品や大きな部品に使用 |
| カッター式 | ナイフのような刃で切断。樹脂成形用で最も一般的 |
| 衝撃式 | 高速でぶつけて粉砕。硬質材料向き |
| せん断式 | 低速で力をかけて切る。静音・粉塵が少ない |
メリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 🔹 コスト削減 | 再生材を使うことで原料費を節約できる |
| 🔹 環境対策 | 廃棄量を減らせる |
| 🔹 工場内で循環使用可能 | 成形現場ですぐ再利用できる |
| 🔹 材料供給がスムーズ | 粉砕物の粒径が一定でホッパー供給しやすい |
デメリット・注意点
| デメリット | 内容 |
|---|---|
| 🔸 材料の劣化 | 粉砕時の摩擦熱で樹脂が熱劣化することがある |
| 🔸 異物混入 | 金属片や異種樹脂が混ざると品質低下 |
| 🔸 粉塵発生 | 静電気や粉塵の処理が必要 |
| 🔸 騒音 | 高速回転タイプは騒音が大きい(防音カバー必須) |
粉砕時のポイント
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刃の摩耗を定期点検(切れ味が悪いと熱劣化や詰まりの原因)
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スクリーン穴径を用途に合わせて選定(粒径の調整)
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材料別に粉砕機を分ける(異樹脂混入防止)
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静電気・粉塵対策を行う(集塵機やアース接続)
粉砕後の樹脂の扱い
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再生材(リグラインド)として使用する際は、バージン材と混合(ブレンド)して使うのが一般的。
→ 例:再生材30%、新材70%など -
乾燥処理をしてから成形機に投入する(吸湿防止)。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 成形不良品やランナーを再利用できるように粉砕する機械 |
| 構造 | 回転刃・固定刃・スクリーンで構成 |
| メリット | コスト削減・環境対応・再利用性向上 |
| 注意点 | 熱劣化・異物混入・粉塵対策が必要 |
| 種類 | 高速型・低速型・カッター式・せん断式など |


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