投影面積

射出成形における 投影面積(projected area) とは、
金型を型締方向から見たときの成形品とランナーを含めた見かけの面積 のことをいいます。

つまり、製品やランナーを「上から押さえつけたときの影の面積」のようなイメージです。

投影面積の役割

  1. 型締力の算出に必要

    • 射出時、溶融樹脂の内圧が金型を開こうとする力(型開き力)がかかる

    • この力は 投影面積 × キャビティ内圧 で求められる

    • 成形機は、この型開き力より大きな型締力を持つ必要がある

  2. 成形機選定の基準

    • 投影面積が大きいと、必要な型締力も大きくなる

    • 製品が小さくても、薄肉で広い面積だと大型機が必要になることもある

型締力の計算例

型開き力=投影面積×成形圧力

  • 例:投影面積 200 cm² の製品を、キャビティ内圧 400 kg/cm² で成形する場合

型開き力=200×400=80,000 kgf=800 kN

→ 800kN(約80トン)以上の型締力を持つ成形機が必要。

投影面積に含める範囲

  • 成形品本体

  • ランナー

  • ゲート部

  • インサート金具(必要に応じて)

まとめ

  • 投影面積 = 型締方向から見たときの製品+ランナーの影の面積

  • 型締力算出の基本となる値

  • 投影面積が大きいと必要な型締力も大きくなる

  • 成形機選定の重要な指標

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