射出成形機やプレス機において、可動プラテンと固定プラテンを支える長い鋼製の棒(柱) のことを タイバー(tie bar) と呼びます。
射出成形機のフレーム四隅に配置され、型締装置の主要構造部材 として働きます。
主な役割
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型締力の伝達
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クランプ装置で発生した型締力を、均等に金型へ伝える。
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プラテンのガイド
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可動プラテンがスムーズに前後動するためのガイドとして機能。
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機械剛性の確保
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射出時の高圧(数百〜数千kN)を受け止め、変形を防ぐ。
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位置決め精度の維持
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金型の平行度を保ち、成形品の寸法精度・バリ発生防止に寄与。
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タイバーの構造的特徴
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材質:高強度合金鋼(疲労強度・耐摩耗性が高いもの)
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表面処理:硬質クロムめっきや窒化処理 → 摩耗・焼付き防止
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取り外し可能タイプ(タイバー引き抜き式)
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金型交換時に大きな金型を容易に装着できるようにする方式
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トラブルと管理ポイント
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摩耗や傷 → 可動プラテンの摺動不良を招く
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曲がりやたわみ → 型平行度の不良、成形品にバリや寸法不良
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潤滑不足 → ガリング(焼付き)発生
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定期点検:摩耗測定、潤滑確認、クラック有無チェックが重要
まとめ
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タイバー = 射出成形機の柱
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型締力を支え、プラテンの案内と剛性維持を担う重要部材
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定期点検・潤滑・表面保護が品質維持に直結する
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