タイバー

射出成形機やプレス機において、可動プラテンと固定プラテンを支える長い鋼製の棒(柱) のことを タイバー(tie bar) と呼びます。

射出成形機のフレーム四隅に配置され、型締装置の主要構造部材 として働きます。


主な役割

  1. 型締力の伝達

    • クランプ装置で発生した型締力を、均等に金型へ伝える。

  2. プラテンのガイド

    • 可動プラテンがスムーズに前後動するためのガイドとして機能。

  3. 機械剛性の確保

    • 射出時の高圧(数百〜数千kN)を受け止め、変形を防ぐ。

  4. 位置決め精度の維持

    • 金型の平行度を保ち、成形品の寸法精度・バリ発生防止に寄与。


タイバーの構造的特徴

  • 材質:高強度合金鋼(疲労強度・耐摩耗性が高いもの)

  • 表面処理:硬質クロムめっきや窒化処理 → 摩耗・焼付き防止

  • 取り外し可能タイプ(タイバー引き抜き式)

    • 金型交換時に大きな金型を容易に装着できるようにする方式


トラブルと管理ポイント

  • 摩耗や傷 → 可動プラテンの摺動不良を招く

  • 曲がりやたわみ → 型平行度の不良、成形品にバリや寸法不良

  • 潤滑不足 → ガリング(焼付き)発生

  • 定期点検:摩耗測定、潤滑確認、クラック有無チェックが重要


まとめ

  • タイバー = 射出成形機の柱

  • 型締力を支え、プラテンの案内と剛性維持を担う重要部材

  • 定期点検・潤滑・表面保護が品質維持に直結する

コメント

タイトルとURLをコピーしました