耐候性(weather resistance)とは、プラスチックや材料が長期間、屋外環境にさらされても性能や外観が劣化しにくい性質のことです。
屋外では、紫外線(UV)、雨、風、温度変化、酸性雨、塩害など、さまざまな環境ストレスがあります。
耐候性は、これらに対して強度・色・光沢・寸法安定性を維持できるかどうかを示す指標です。
劣化の原因
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紫外線(UV)
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樹脂の分子鎖を切断し、黄変や粉化の原因に
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酸化
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熱や光により酸素と反応して脆化
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水分・湿度
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吸水による寸法変化、表面劣化
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温度変化
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熱膨張と収縮の繰り返しによるクラックやそり
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耐候性の評価方法
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加速耐候性試験(UV/weather-o-meter)
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紫外線ランプや噴霧水で人工的に劣化を加速
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外観変化、色差(ΔE)、引張強度、曲げ強度などを測定
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自然曝露試験
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屋外に設置して長期間の耐候性を確認
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実環境に近い評価が可能だが時間がかかる
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耐候性に優れる材料
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ポリカーボネート(PC)
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UV安定剤を添加すると屋外使用可能
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アクリル(PMMA)
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高透明で耐候性良好
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フッ素樹脂(PTFE, FEP)
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紫外線・化学薬品に非常に強い
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ポリエチレン・ポリプロピレン
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無改質ではUVに弱いが、添加剤で改善可能
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対策
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UV吸収剤や酸化防止剤の添加
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紫外線劣化を遅らせる
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表面塗装・コーティング
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透明コートやラッカーで保護
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設計上の工夫
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水がたまらない形状、日光直射を避ける設計
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まとめ
耐候性とは、
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屋外環境による劣化に対する耐性
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紫外線、酸化、水分、温度変化が主な劣化要因
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添加剤や表面処理、樹脂選定で改善可能
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