成形サイクル

成形サイクル(molding cycle)とは、1ショット(1製品または1型取り分)を成形するのに要する時間の一連の流れを指します。

つまり、
「金型を閉じてから次のショットを開始するまでの時間」= 1サイクル です。

成形サイクルの基本工程

  1. 型締め(型閉じ)

    • 可動側と固定側の金型を閉じて、射出準備を整える

  2. 射出・充填

    • 溶融樹脂を金型内に射出してキャビティに充填する

  3. 保圧(パッキング)

    • 樹脂の収縮を補うため、一定時間圧力をかけて密度を安定させる

  4. 冷却(固化)

    • 金型内で樹脂を冷やし、成形品を固める

    • サイクルタイムの中で最も長い時間を占めることが多い

  5. 型開き

    • 固化後、金型を開いて取り出し準備

  6. 突き出し(離型)

    • エジェクタピンやストリッパープレートで成形品を取り出す

成形サイクルの時間配分(例)

  • 型締め:約 1〜2 秒

  • 射出・保圧:約 2〜10 秒

  • 冷却:約 10〜60 秒(製品の厚みに依存)

  • 型開き+突き出し:約 2〜5 秒

👉 合計で 15〜80秒程度 が一般的ですが、製品の大きさ・樹脂種類・金型構造で大きく変わります。

成形サイクル短縮のポイント

  • 冷却効率の改善(冷却配管の最適化、金型温調機の活用)

  • 射出条件の最適化(過剰な保圧や冷却を避ける)

  • 自動化による取り出し時間の短縮(ロボット使用など)

まとめ

成形サイクルとは、

  • 1ショットに要する時間の流れ(型閉じ → 射出 → 保圧 → 冷却 → 型開き → 突き出し)

  • 冷却時間が最も大きな割合を占める

  • 短縮=生産性向上につながるが、品質とのバランスが重要

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