充填圧力（filling pressure）は、
射出成形において樹脂を金型キャビティに流し込む際に必要となる圧力を指します。
成形サイクルの「充填工程」で、射出速度を維持しながら樹脂を隅々まで行き渡らせるために使われる圧力です。
充填圧力の役割
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樹脂をキャビティ全体に行き渡らせる
→ 複雑形状や薄肉部も満たすために必要。 -
射出速度を一定に保つ
→ 成形機は「設定速度を維持するために必要な圧力」を自動的に発生させる。 -
充填完了後に保圧へ切り替える
→ 充填圧力のピーク値や傾向は、切替条件の目安にもなる。
充填圧力に影響する要因
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樹脂粘度（樹脂温度が低いほど高粘度 → 圧力増大）
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金型温度（低いと樹脂が固まりやすく流れにくい）
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射出速度（速いほど必要圧力は高くなる）
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製品形状（薄肉・長流動は圧力が高く必要）
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ゲートやランナーの抵抗（小さすぎると圧力が上昇）
測定・管理方法
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成形機の画面に「充填圧力」や「最大射出圧力」として表示される。
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成形条件出しでは、充填圧力のピーク値を確認しておくと安定性の判断材料になる。
充填圧力が高すぎる場合の不良
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バリ（型合わせ部から樹脂が漏れる）
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金型への負荷増大（型寿命低下）
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ジェティングや焼け
充填圧力が低すぎる場合の不良
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ショートショット（樹脂が行き渡らない）
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ウェルドラインが目立つ
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転写不足（細かい形状が出ない）
まとめ
充填圧力とは、
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樹脂をキャビティに隅々まで行き渡らせるために必要な圧力
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射出速度・樹脂温度・金型温度・形状抵抗などに大きく影響
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高すぎても低すぎても不良の原因になる
充填圧力の適正化は、成形安定性と製品品質のカギになります
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