ジェティング(Jetting)は、射出成形で発生する外観不良の一種で、
溶融樹脂が勢いよくキャビティ内に飛び出して細い糸状に固まり、うねった線やヒモ状の跡が製品表面に残る現象です。
見た目としては「蛇行した線」「ミミズがはったような模様」になります。
発生メカニズム
-
本来は 樹脂が金型壁面に沿って流れる のが理想。
-
しかしゲートやノズルから出た樹脂が、金型壁に当たらず空間に飛び出すと、糸状の樹脂が冷えて固まり、次に流れ込む樹脂に包み込まれて模様になる。
つまり、初期の噴射状の流れ(ジェットフロー)が原因です。
主な原因
-
射出速度が速すぎる
→ 樹脂が壁に沿わず、キャビティ内に飛び出す。 -
ゲート設計不良
-
ゲートが大きすぎる・位置が悪い
-
金型壁に向かって樹脂を流せない設計
-
-
樹脂温度が低い
→ 樹脂が粘りすぎて壁に沿って流れにくくなる。
対策
-
射出条件の改善
-
射出初期の速度を落とす(多段射出制御)
-
樹脂温度を上げて流動性を高める
-
-
ゲート設計の改善
-
ゲート位置を壁に近づける
-
ピンゲートよりサブマリンゲートやサイドゲートを採用する
-
ゲート径を小さくして樹脂の広がりをコントロール
-
-
金型改造
-
流動方向を変えるリブや突起を設けて、樹脂を壁面に沿わせる
-
まとめ
ジェティングは、
-
溶融樹脂が糸状に噴き出して跡になる外観不良
-
原因は「射出速度過大」「ゲート設計不良」「樹脂温度不足」
-
対策は「速度制御」「温度管理」「ゲート改良」
によって抑制できます。
コメント