射出シリンダは、射出成形機において樹脂を可塑化し、加圧して金型内に射出するための主要部品です。一般に「シリンダ」「加熱シリンダ」とも呼ばれ、可塑化・計量・射出という一連の工程を担っています。
主な構造
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シリンダ(バレル)
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鋼製の筒で、外側にヒーターと温度センサーが取り付けられている。
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樹脂を所定温度に加熱する役割を担う。
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スクリュー
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シリンダ内部に入っている回転軸。
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回転によって樹脂を前進させつつ溶融・混練する。
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前進・後退で「計量」「射出」を行う。
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ノズル
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シリンダ先端にあり、金型のスプルーブッシュと密着。
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溶融樹脂を金型に流し込む出口。
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ヒーター & センサー
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シリンダ外周に取り付けられ、ゾーンごとに温度を制御。
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射出シリンダの役割
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可塑化
固体ペレットを加熱・混練し、均一な溶融樹脂を作る。 -
計量
次のショットに必要な樹脂量をスクリュー後方にためる。 -
射出
スクリューを前進させて樹脂を高圧で金型内に充填する。
使用上のポイント
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温度管理:樹脂に応じたシリンダ温度設定が重要(過熱 → 分解、低温 → 未溶融)。
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摩耗・腐食対策:ガラス繊維入りや難燃材はシリンダやスクリューを摩耗させやすい。耐摩耗・耐食材質が用いられる。
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スクリュー設計:樹脂特性に合わせて一般用・耐熱用・高混練用などがある。
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