計量

計量とは?

  • 成形サイクルの「射出後、保圧・冷却中に行う工程

  • スクリューを回転させながら後退させることで、樹脂を前方に送り出し、決められたストローク量(=必要量)を貯める操作

計量工程のしくみ

  1. スクリュー回転開始

    • ホッパーから供給されたペレット樹脂をスクリューが回転しながら溶融

  2. 樹脂を前方に圧送

    • スクリューのフライトが溶融樹脂を先端へ送る

  3. スクリューが後退

    • ノズル側に溶融樹脂が貯まるとスクリューが後ろに下がる(後退量=計量完了の目印)

  4. 必要量に達したら停止

    • 指定ストローク位置 or 材料体積でスクリューの回転を停止

計量の管理項目

項目 内容 単位
計量量 次ショットに必要な樹脂量(スクリュー後退量) mmまたはcm³
計量時間 スクリューが回転して後退するまでの時間
バックプレッシャー(背圧) 溶融樹脂にかける抵抗圧 MPa、kgf/cm²
スクリュー回転速度 材料の溶融速度に影響 rpm(回転/分)

計量に影響する主な要素

要素 説明
材料の種類 溶融温度・粘度が異なり、加熱時間や圧送力が変わる
温度設定 シリンダー温度が低すぎると計量遅延、高すぎると劣化
スクリュー設計 形状や混練部の長さによって計量効率が変わる
バックプレッシャー 高すぎると機械負荷増・炭化、低すぎると気泡混入

計量の目的と役割

目的 内容
✅ 安定したショット量確保 毎回同じ体積の溶融樹脂を用意するため
✅ 材料の混練・脱気 均一に混ぜて空気やガスを押し出す
✅ 樹脂の温度安定 回転による摩擦熱で溶融を補助
✅ 圧縮制御(バラつき防止) 背圧で密度と粘度を均一化する

計量トラブルとその原因

トラブル 原因
計量が遅い / 完了しない 材料の溶融不足、スクリュー摩耗、温度低下
計量量のバラつき 材料供給不良、逆流防止機構の不良、吸水材
ショートショット 計量量不足、逆流、保圧不足
シルバー(気泡) 計量時の脱気不良 or 空気巻き込み

補足:バックプレッシャーとは?

  • 計量時にスクリューの後退を油圧で制限し、内部の樹脂を圧縮する圧力

  • これにより:

    • 溶融密度UP(空気抜け)

    • 材料混練UP(色ムラ・フィラー分散改善)

  • ただし高すぎると、材料の分解や機械負担増加の原因になる

計量のまとめ

観点 ポイント
意味 射出のための樹脂をスクリュー前方に準備する工程
時間 成形サイクル中に保圧・冷却と同時に行う
重要管理 計量量、時間、回転速度、背圧、温度
安定成形には 各条件を「材料と金型」に合わせて最適化することが重要

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