キャビティ

キャビティ(Cavity)とは、成形品の形状になる空間部分を指します。簡単にいえば、溶融樹脂が流れ込んで固まる「型の空洞部分」です。

キャビティの基本的な構造

射出成形用の金型(モールド)は、以下の2つの主な部品で構成されます:

  • キャビティ側(固定型・メス型)

  • コア側(可動型・オス型)

キャビティとは、通常この固定側の型板に彫られている凹形状の空間を指し、コアは反対の凸形状です。これらが合わさることで、成形品の形が形成されます。

キャビティの種類

種類 説明
単数キャビティ 一回の成形で一つの成形品を作る金型。試作や小ロット向け。
複数キャビティ(マルチキャビティ) 一回の成形で複数の同じ成形品を作れる。量産向け。
ファミリーキャビティ 一つの金型で異なる形状の製品を同時に成形するタイプ。部品セットを一括成形する場合に有効。

キャビティが重要な理由

✅ 1. 製品の精度・品質に直結

キャビティの形状・表面仕上げ・冷却状態は、成形品の寸法・表面・ヒケ・反りに影響します。

✅ 2. 樹脂の流れに関与

流動バランスが悪いと、一部のキャビティにだけ樹脂が偏って流れ、ショートショットバリの原因になります。

✅ 3. 冷却効率の鍵

キャビティ周辺の冷却回路(冷却水路)の設計によって、サイクルタイムや収縮ムラに差が出ます。

補足:キャビティに関する用語

用語 内容
キャビティナンバー 複数キャビティがある場合の識別番号(例:CAV1, CAV2…)
キャビティバランス 各キャビティに均等に樹脂が流れるよう設計されたバランス
キャビティプレート キャビティが加工された金型プレート部品

よくあるキャビティに関するトラブルと原因

トラブル 原因
成形品の寸法バラつき キャビティ間の温度差、圧力差
一部キャビティでショートショット ゲート設計不良やフローバランス不良
バリが発生する キャビティの合わせ面が摩耗・破損

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