✅ ウェルドマークとは?
ウェルドマーク(Weld Mark)とは、射出成形品の表面にできる線状の跡(スジ)や色ムラ、凹みなどのことです。
樹脂が金型内で合流した部分(合流線=ウェルドライン)に発生します。
原因
ウェルドマークは、溶けた樹脂が複数の流れに分かれ、再び合流した際に、完全に融合せずにできる境界線です。
主な原因:
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金型の中に穴や突起があり、樹脂が左右に分かれて流れる
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複雑な形状の製品で流動が分岐・合流する
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低温の金型や樹脂で、合流時の温度が足りない
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射出速度が遅く、冷えすぎてしまう
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空気の抜け(ベント)が悪く、合流部で気泡や乱れが起きる
ウェルドマークの見た目
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細い線状のスジや色の違い
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光沢や模様の乱れ
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わずかな凹み、ヒケのような外観不良
📌 軽度なら機能に問題はないこともありますが、
📌 強度や見た目に影響するため、品質不良と見なされることが多いです。
対策方法
対策項目 | 内容 |
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金型温度を上げる | 樹脂が冷えすぎず、合流部で十分に融合できるようにする |
射出速度を上げる | 流動を速くして、分流→合流までの時間を短縮し、温度を保つ |
ベントの改善 | 空気抜きを良くして、合流部の乱れを防ぐ |
ゲート位置の変更 | 樹脂の流れ方を変えて、合流する位置を移動する |
樹脂の温度を上げる | より流動性を高めて、スムーズな合流を促進 |
ウェルド部分の位置調整 | 目立たない場所にウェルドが出るように設計・金型を工夫する |
設計段階での予防も大切!
製品設計や金型設計時に「ウェルドマークができやすい場所」を事前に想定し、
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ゲート位置や数の工夫
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ウェルドが目立たない位置に流す
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肉厚や流路のバランス調整
などを行うことで、防止・軽減が可能です。
ウェルドマーク vs ウェルドライン
用語 | 意味 |
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ウェルドライン | 溶融樹脂が金型内で合流する線(構造的な意味) |
ウェルドマーク | ウェルドラインが表面に現れた外観不良のこと |
まとめ
項目 | 内容 |
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不良名 | ウェルドマーク(Weld Mark) |
発生原因 | 樹脂の流れが分かれて再合流したときの不完全な融合 |
よく見られる部位 | ボス周囲、リブの反対側、開口部近く |
主な対策 | 温度管理、流動条件改善、ベント、金型設計見直し |
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