ホッパー(Hopper)とは、
樹脂ペレットなどの原料を一時的に貯めて、成形機へ一定量ずつ供給する装置のことです。
射出成形機・押出成形機などで使われ、
材料供給の「入口」にあたる重要な部分です。
ホッパーの構造と配置
ホッパーは成形機の**シリンダ上部(フィード部)に取り付けられています。
下に行くほど細くなる逆円錐形のタンク状をしており、
重力によってペレットが自然に下に落ち、
スクリューの回転によって樹脂が送り込まれます。
ホッパーの主な役割
| 役割 | 内容 |
|---|---|
| ① 原料の貯蔵 | 成形に必要な量のペレットを保持する。 |
| ② 定量供給 | ペレットを一定量ずつ安定してシリンダへ送る。 |
| ③ 乾燥との連携 | 吸湿性樹脂では、乾燥ホッパーとして温風で乾燥しながら供給する。 |
| ④ 汚染防止 | 外部からの異物や水分の混入を防ぐ。 |
ホッパーの種類
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 通常ホッパー | 樹脂を貯めるだけの単純なタンク。非吸湿性樹脂に使用。 |
| ホッパードライヤ(乾燥ホッパー) | 温風でペレットを乾燥しながら供給する。吸湿性樹脂用。 |
| 真空ホッパー | 真空吸引で上流の貯蔵槽からペレットを自動補給する。 |
| ステンレスホッパー | 汚染・静電気対策用。光学部品や医療品に使用。 |
乾燥ホッパーの仕組み(吸湿性樹脂の場合)
吸湿性のある樹脂(例:PA, PC, PETなど)は、
ホッパー内で温風乾燥しながら成形機へ供給されます。
-
温風(約80〜120℃)をホッパー下部から上に送る
-
ペレットを均一に乾燥
-
上から順に乾燥したペレットが落ちて供給される
これにより、水分による気泡・銀条・外観不良を防止します。
ホッパー使用時の注意点
| 項目 | 注意内容 |
|---|---|
| 水分管理 | 吸湿性樹脂は必ず乾燥して使用。 |
| 清掃 | 色替えや材料替えの前には必ず内部清掃。 |
| 温度管理 | 過乾燥や焦げ付きに注意。 |
| 異物防止 | 投入口には金属フィルタやマグネットを設置することも。 |
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | ホッパー(Hopper) |
| 主な役割 | 樹脂ペレットの貯蔵・供給 |
| 設置場所 | 成形機のシリンダ上部 |
| 主な種類 | 通常ホッパー、乾燥ホッパー、真空ホッパー |
| 注意点 | 吸湿・異物混入・清掃管理に注意 |


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