ガスベントとは
金型内の空気・ガスを意図的に外部へ排出するための専用構造のことです。
単なる隙間利用ではなく「設計された排気装置」
なぜ重要?
射出成形では、
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充填速度が速い
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流動末端で圧縮空気が高温化
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分解ガスも発生
放置すると:
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ガス焼け
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ショートショット
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ウェルド弱化
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表面荒れ
になります。
ガスベントの種類
① パーティング面ベント(基本型)
合わせ面に微細溝を加工。
② ベントピン
内部に溝付きピンを入れて排気。
厚肉・リブ奥で有効。
③ スリットベント
極細スリットで排気。
精密外観品向け。
④ 多孔質ベント(ポーラスベント)
焼結金属などの微細孔から排気。
外観重視品に使用。
⑤ 真空ベントシステム
成形前にキャビティを減圧。
透明部品や高光沢部品向け。
設計のポイント
✔ 流動末端に配置
✔ ウェルド発生部周辺
✔ ガス溜まり部
✔ 清掃しやすい構造
寸法目安(代表例)
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PP・PE:0.02~0.04mm
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ABS:0.02mm前後
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PC:0.01~0.02mm
※深すぎるとバリ発生。
ガスベントとガスチャンネルの違い
| 用語 | 目的 |
|---|---|
| ガスベント | 空気を外に逃がす |
| ガスチャンネル | ガスインジェクションの通路 |
名前は似ていますが、用途は全く別です。
現場でのサイン
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端部だけ焦げる
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射出圧が異常に高い
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充填が安定しない
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異臭が出る
こういう時はまずベント疑います。
ひとことで
ガスベントは
「金型に作る空気の逃げ道」
地味ですが、品質を決める超重要要素です。


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