異形ダイ(いけいダイ)とは、
丸(パイプ)や平板(シート)ではない、任意断面形状を連続的に押し出すための金型(ダイ)です。
例:コの字、H形、L形、中空リブ付き、複雑な溝形状 など
主に 樹脂押出成形で使用されます。
何が「異形」なのか?
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断面が円・矩形ではない
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肉厚が場所によって異なる
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中空部や細いリブがある
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複数の突起・溝を同時に成形する
このような断面を連続的に作るためのダイが「異形ダイ」です。
異形ダイの構造(基本)
● マニホールド部
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押出機から来た溶融樹脂を断面全体に均等配分する部分
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流路長を調整して流量バランスを取る
● ダイリップ(出口部)
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最終形状を決める部分
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冷却前なので、実際の製品形状よりやや小さく設計される(ダイスウェル対策)
● サポート部(中空の場合)
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スパイダー、ブリッジなど
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中空断面を作るための支持構造
異形ダイで重要なポイント
① 流量バランス
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肉厚の厚い部分と薄い部分で流れが偏りやすい
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→ 流路長や抵抗で流量調整
② ダイスウェル対策
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押出直後に樹脂が膨らむ現象
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→ 部位ごとに縮み量が違うため、ダイ設計が難しい
③ 冷却・キャリブレーション
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ダイの後段で真空キャリブレーターを使用
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形状保持・寸法安定に必須
④ 材料特性への対応
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PVC、PP、PE、ABS、PC などで挙動が大きく異なる
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粘弾性・溶融強度が重要
異形ダイで起こりやすい不良
| 不良 | 原因 |
|---|---|
| 肉厚ムラ | 流量不均一 |
| ねじれ | 冷却バランス不良 |
| 寸法不安定 | ダイスウェル変動 |
| 表面荒れ | 滞留・せん断過多 |
| ウェルド痕 | スパイダー合流部 |
まとめ
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異形ダイ=任意断面形状を連続押出するための金型
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流量バランスとダイスウェル制御が最重要
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冷却・キャリブレーションとセットで考える
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設計難易度は高いが、量産性に優れる


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