圧空成形は、真空成形を強化した熱成形方法で、
加熱したシートを型に押し当てる際に “真空 + 加圧” を使う成形方法です。
通常の真空成形よりも
✔ 輪郭がシャープ
✔ 細かい凹凸が再現可能
✔ 高い面精度
✔ 深絞り性が良い
という特徴があります。
どうやって成形する?(工程)
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樹脂シートを加熱し軟化させる
(PP、PS、PET、ABS、PC など) -
型に密着させるために真空を引く
→ 空気を抜いてシートを型に吸い付ける -
さらに上から高圧の空気を吹き付ける(0.3〜0.7 MPa 程度)
→ シートが型の細部まで押しつけられる -
冷却 → 型から離型
→ 成形品の完成
圧空成形の特徴
◎ メリット
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形状の再現性が高い(真空成形よりも高精細)
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寸法精度が良い
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肉厚が比較的均一になりやすい
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小ロット・中ロットに向く
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金型が射出成形より安い
× デメリット
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射出成形ほどの高精度ではない
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アンダーカット形状が苦手(型構造が複雑になる)
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非常に厚い製品は成形しにくい
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材料のシートコストがやや高い
どんなところで使われる?
圧空成形は、外観品や大型品でよく使われます。
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医療機器の外装カバー
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自動販売機の外装パネル
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産業機器・FA機器の外装
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家電の外装パネル
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ディスプレイ部材
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大型トレー
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カートリッジケース
「見た目が綺麗で、専用形状が必要だが、射出成形ほど大ロットではない」
という条件にマッチします。
真空成形との違い(簡単に)
| 項目 | 真空成形 | 圧空成形 |
|---|---|---|
| 成形方法 | 真空のみ | 真空 + 加圧 |
| 再現性 | 中 | 高 |
| 外観 | 良 | とても良い |
| 肉厚均一性 | やや悪い | 良い |
| コスト | 低い | 中程度 |


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