ロケートリング(Locate Ring) は、
射出成形機のノズルと金型の位置を正確に合わせるためのリング状の部品です。
金型の固定側(通常はスプルーブッシュの周囲)に取り付けられていて、
成形機のノズル中心と金型のゲート中心を正確に位置決め(ロケート)します。
ロケートリングの役割
| 役割 |
内容 |
| ① ノズルと金型のセンター合わせ |
ノズル口とスプルーブッシュ中心を正確に合わせ、樹脂漏れを防ぐ |
| ② 金型の位置決め |
金型を成形機に取り付けるときの基準位置になる |
| ③ 金型の保護 |
ノズルが金型を押し付けすぎるのを防ぎ、金型面の損傷を防止 |
| ④ 成形安定化 |
樹脂の射出がまっすぐ流れるようにし、バリやヒケを防ぐ |
ロケートリングの寸法と規格
ロケートリングの寸法は、射出成形機メーカーの仕様に合わせて決められています。
(※機械ごとにノズル中心やプラテンの穴径が異なるため)
| 射出成形機クラス |
外径(D) |
内径(d) |
厚さ(t) |
| 小型(50〜100t) |
約 φ60〜φ70 |
φ25〜φ30 |
8〜10mm |
| 中型(150〜300t) |
約 φ80〜φ100 |
φ30〜φ40 |
10〜12mm |
| 大型(400t以上) |
約 φ120〜φ150 |
φ40〜φ50 |
12〜15mm |
※ 標準規格例:JIS・HASCO・DME などに準拠することもあります。
材質
ロケートリングは、
圧力や摩耗に耐えるために 硬度の高い鋼材 が使われます。
| 材質 |
特徴 |
| SKD11(工具鋼) |
高硬度・耐摩耗性に優れる |
| S50C(炭素鋼) |
一般的でコストが低い |
| ステンレス系 |
錆に強く、クリーン成形向け |
使用上の注意点
| 注意項目 |
内容 |
| ノズルと中心がズレると危険 |
樹脂漏れ・金型損傷・ノズル折れの原因になる |
| 摩耗・へこみは交換サイン |
センターズレが発生しやすくなる |
| 厚み調整に注意 |
ノズルタッチ力(押し付け力)に影響するため、金型高さと合わせて設計する |
| 清掃を怠らない |
樹脂カスが付着してセンターがずれることがある |
よくあるトラブルと対策
| トラブル |
原因 |
対策 |
| 樹脂漏れ(ノズルと隙間) |
ロケートリング摩耗・センターズレ |
ロケートリング交換、位置調整 |
| ノズル焼け付き |
ノズル押し付け過大 |
ノズルタッチ力を調整 |
| 金型破損 |
ロケートリング高さ不適切 |
厚み調整で均一接触にする |
まとめ
| 項目 |
内容 |
| 名称 |
ロケートリング(Locate Ring) |
| 取付位置 |
金型の固定側(スプルーブッシュ周囲) |
| 主な役割 |
ノズルと金型のセンター合わせ、位置決め |
| 材質 |
SKD11、S50C、ステンレスなど |
| 注意点 |
厚み・摩耗・汚れによるセンターズレに注意 |
| 効果 |
成形安定・金型保護・樹脂漏れ防止 |
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