ペレット(Pellet)とは、
プラスチック樹脂を小さな粒状にした原料のことです。
射出成形・押出成形・ブロー成形などの加工では、
このペレットを加熱して溶かし、金型に流し込んで製品を作ります。
ペレットの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 形状 | 直径2〜5mmほどの円筒形または球状の粒 |
| 材質 | 熱可塑性樹脂(PE, PP, ABS, PC, PAなど) |
| 製造方法 | 樹脂を溶かして押し出し、冷却・カットして粒状にする |
| 用途 | 成形加工の原料として使用 |
ペレットができるまでの流れ
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重合反応(Polymerization)
モノマーを化学的に反応させてポリマー(樹脂)を作る。 -
混練(Compounding)
樹脂に着色剤・添加剤・ガラス繊維などを混ぜて性能を調整。 -
押出成形(Extrusion)
溶融樹脂を押し出し機でヒモ状にする。 -
冷却・カット(Pelletizing)
押し出された樹脂を冷やしてカットし、粒状にする。
→ こうしてできたものが ペレット です。
ペレットの種類(分類方法)
🔹① 樹脂の種類で分類
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| PE(ポリエチレン) | 軽くて柔軟、耐薬品性◎ | 容器、フィルム |
| PP(ポリプロピレン) | 剛性・耐熱性 | 家電部品、自動車部品 |
| ABS | 強度・外観性◎ | 玩具、家電外装 |
| PC(ポリカーボネート) | 透明・高衝撃 | レンズ、透明部品 |
| PA(ナイロン) | 強度・耐摩耗性 | 機械部品、ギヤ |
② 加工目的で分類
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| バージンペレット | 新規製造された純粋なペレット。品質安定。 |
| リサイクルペレット | 成形後のランナーや不良品を再粉砕・再溶融したもの。コスト低い。 |
| マスターバッチペレット | 着色剤や添加剤を高濃度に混ぜた補助用ペレット。 |
ペレットの性質と重要ポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 粒の大きさ | 均一であることが重要。ばらつくと供給が不安定になる。 |
| 水分含有量 | 吸湿すると気泡や外観不良の原因になる。特にPAやPCは乾燥が必要。 |
| 清浄度 | 異物・粉が混ざっていると黒点や欠陥の原因に。 |
| 流動性 | 溶けやすく均一に流れることが望ましい。 |
ペレットの取扱いポイント
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乾燥:吸湿性樹脂は成形前に乾燥機で水分を除去。
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保管:湿気・温度変化・静電気に注意。密閉容器で管理。
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輸送:袋詰め(25kg程度)またはホッパー車でバルク輸送される。
補足:特殊ペレット
| 名称 | 内容 |
|---|---|
| 発泡ペレット | 中に発泡剤を含み、軽量化製品に使用。 |
| ガラス繊維強化ペレット | ガラス繊維入りで高強度・高剛性。 |
| リサイクルペレット | 環境配慮型、再利用材。 |
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | ペレット(Pellet) |
| 意味 | 樹脂を小粒状にした加工用原料 |
| 形状 | 直径2〜5mmの粒 |
| 用途 | 射出・押出・ブロー成形など |
| 重要管理項目 | 乾燥、水分、清浄度、粒の均一性 |


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