ペレット

ペレット(Pellet)とは、
プラスチック樹脂を小さな粒状にした原料のことです。

射出成形・押出成形・ブロー成形などの加工では、
このペレットを加熱して溶かし、金型に流し込んで製品を作ります。

ペレットの基本情報

項目 内容
形状 直径2〜5mmほどの円筒形または球状の粒
材質 熱可塑性樹脂(PE, PP, ABS, PC, PAなど)
製造方法 樹脂を溶かして押し出し、冷却・カットして粒状にする
用途 成形加工の原料として使用

ペレットができるまでの流れ

  1. 重合反応(Polymerization)
     モノマーを化学的に反応させてポリマー(樹脂)を作る。

  2. 混練(Compounding)
     樹脂に着色剤・添加剤・ガラス繊維などを混ぜて性能を調整。

  3. 押出成形(Extrusion)
     溶融樹脂を押し出し機でヒモ状にする。

  4. 冷却・カット(Pelletizing)
     押し出された樹脂を冷やしてカットし、粒状にする。

→ こうしてできたものが ペレット です。

ペレットの種類(分類方法)

🔹① 樹脂の種類で分類

種類 特徴 主な用途
PE(ポリエチレン) 軽くて柔軟、耐薬品性◎ 容器、フィルム
PP(ポリプロピレン) 剛性・耐熱性 家電部品、自動車部品
ABS 強度・外観性◎ 玩具、家電外装
PC(ポリカーボネート) 透明・高衝撃 レンズ、透明部品
PA(ナイロン) 強度・耐摩耗性 機械部品、ギヤ

② 加工目的で分類

種類 特徴
バージンペレット 新規製造された純粋なペレット。品質安定。
リサイクルペレット 成形後のランナーや不良品を再粉砕・再溶融したもの。コスト低い。
マスターバッチペレット 着色剤や添加剤を高濃度に混ぜた補助用ペレット。

ペレットの性質と重要ポイント

項目 内容
粒の大きさ 均一であることが重要。ばらつくと供給が不安定になる。
水分含有量 吸湿すると気泡や外観不良の原因になる。特にPAやPCは乾燥が必要。
清浄度 異物・粉が混ざっていると黒点や欠陥の原因に。
流動性 溶けやすく均一に流れることが望ましい。

ペレットの取扱いポイント

  • 乾燥:吸湿性樹脂は成形前に乾燥機で水分を除去。

  • 保管:湿気・温度変化・静電気に注意。密閉容器で管理。

  • 輸送:袋詰め(25kg程度)またはホッパー車でバルク輸送される。

補足:特殊ペレット

名称 内容
発泡ペレット 中に発泡剤を含み、軽量化製品に使用。
ガラス繊維強化ペレット ガラス繊維入りで高強度・高剛性。
リサイクルペレット 環境配慮型、再利用材。

まとめ

項目 内容
名称 ペレット(Pellet)
意味 樹脂を小粒状にした加工用原料
形状 直径2〜5mmの粒
用途 射出・押出・ブロー成形など
重要管理項目 乾燥、水分、清浄度、粒の均一性

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