ブロー成形

ブロー成形とは、
中が空洞の製品(ボトル・タンクなど)を作るための成形方法です。

「ブロー(blow)=吹く」という名前の通り、
加熱した樹脂を金型の中で空気圧で膨らませて成形します。

基本の仕組み

  1. 樹脂を溶かして「パリソン(中空のチューブ状樹脂)」を作る

  2. それを金型の間に挟み、型を閉じる

  3. 中に圧縮空気を吹き込み、金型の内側に密着させる

  4. 冷却して固め、金型を開いて取り出す

結果として、中が空洞の一体成形品ができます。

ブロー成形の代表的な種類

種類 特徴 主な用途
押出ブロー成形(Extrusion Blow Molding) チューブ状の「パリソン」を押し出して空気で膨らませる ペットボトル以外のボトル類(洗剤容器、燃料タンクなど)
射出ブロー成形(Injection Blow Molding) まずプリフォーム(試験管状の素材)を射出成形してから膨らませる 化粧品容器、医薬品ボトルなど高精度品
延伸ブロー成形(Stretch Blow Molding) プリフォームを加熱し、縦・横方向に引き延ばしてから膨らませる PETボトル、飲料容器など透明・強度が必要な製品

各方式のイメージ

成形法 特徴的な点
押出ブロー 材料を連続押出 → 型で挟む → 空気で膨らます
射出ブロー 成形精度高い・ゲート跡が底部に出やすい
延伸ブロー 分子を配向 → 強度・透明性が向上(PETボトルなど)

メリット

メリット 内容
🔹 中空製品を一体成形できる 継ぎ目がないため、漏れにくく軽量
🔹 複雑な形状が可能 取っ手付きや非対称形状も作れる
🔹 生産性が高い 自動サイクルで大量生産向き
🔹 軽量化できる 材料の節約にもつながる

デメリット

デメリット 内容
🔸 肉厚のばらつき 膨らませ方で厚みが均一にならないことがある
🔸 寸法精度が低い 射出成形に比べて寸法が安定しにくい
🔸 成形条件の制御が難しい 空気圧・温度・冷却バランスが重要
🔸 材料の種類が限定的 PE、PP、PETなど比較的柔軟な樹脂に限られる

主に使われる樹脂

樹脂名 特徴・用途例
PE(ポリエチレン) 洗剤ボトル、燃料タンクなど
PP(ポリプロピレン) 食品容器、化粧品容器など
PET(ポリエチレンテレフタレート) 清涼飲料水ボトル、透明容器など
PVC(ポリ塩化ビニル) 医療用容器、化学薬品容器など

まとめ

項目 内容
定義 空気で膨らませて中空製品を作る成形法
主な方式 押出ブロー、射出ブロー、延伸ブロー
特徴 軽量・一体成形・中空形状が可能
主な樹脂 PE、PP、PETなど
主な製品 ボトル、タンク、容器類

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