ピンゲートとは、
ランナーから製品に樹脂を流し込むための、非常に小さな円形のゲートです。
断面が「丸(ピン形状)」をしていることからこの名が付いています。
構造のイメージ
ピンゲートは、ランナーの先端に細い穴を開けて製品に接続するタイプのゲートで、
主にホットランナーやサブマリンゲート構造に組み込まれます。
特徴まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲート形状 | 円形・小径(φ0.5~1.5mm程度) |
| ゲート位置 | 製品の裏面や中央など、目立たない箇所 |
| ゲート残り | 小さく、ほとんど目立たない |
| 自動離脱 | 成形品が離型時に自動でゲートカットされる |
| 外観性 | 非常に良好(トリミング不要なことが多い) |
メリット
| メリット | 説明 |
|---|---|
| 🔹 ゲート痕が小さい | 製品外観がきれいに仕上がる |
| 🔹 自動カット可能 | 成形サイクルを短縮できる |
| 🔹 多点ゲートにしやすい | 均一充填がしやすい(多点配置が容易) |
| 🔹 寸法安定性が高い | 小径のため樹脂流量が安定しやすい |
デメリット
| デメリット | 説明 |
|---|---|
| 🔸 ゲート詰まりやすい | 小さいため樹脂の熱履歴や不純物に弱い |
| 🔸 成形条件がシビア | ゲート径や温度バランスに敏感 |
| 🔸 保圧が伝わりにくい | ゲートが細くて固まりやすいため、保圧が十分に効かないことがある |
| 🔸 ウェルドラインやボイド発生の可能性 | 流れの合流部や冷却バランスによっては外観不良が出やすい |
主な設計目安
| 項目 | 目安値 |
|---|---|
| ゲート径 | φ0.5〜1.5 mm程度 |
| ランナー径との比 | 約1/2〜1/3程度 |
| ゲート長さ | 0.5〜1.0 mm程度 |
| 成形品厚みとの関係 | 成形品厚みの0.5倍以下が目安 |
使用される代表的な樹脂
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ABS
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PC(ポリカーボネート)
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PMMA(アクリル)
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PS(ポリスチレン)
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PP、PE(条件による)
特に、外観重視の透明製品や自動車内装部品で多く使われます。
ピンゲートの用途例
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レンズカバー
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化粧品容器
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電子機器カバー
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精密部品(ギア、ハウジングなど)
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コネクタ部品 など
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | ランナー先端に設ける小さな円形ゲート |
| メリット | ゲート跡が小さい・自動カット可能・外観が良い |
| デメリット | 保圧が伝わりにくい・詰まりやすい |
| 主な用途 | 外観重視・多点充填・自動成形向け |


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