発泡成形

発泡成形とは、樹脂の中に気体(ガス)を混ぜて膨らませることで、軽くて断熱性・衝撃吸収性に優れた成形品を作る方法です。
プラスチック内部に微細な気泡(セル)を形成し、製品を軽量化したり、特定の物性を向上させたりします。

発泡成形の主な種類

  1. 物理発泡法
     高温・高圧下で樹脂にガス(例:CO₂、N₂)を溶かし込み、成形時に圧力を下げて発泡させます。
     特徴:均一なセル構造、再現性が高い。

  2. 化学発泡法
     発泡剤(例:アゾジカルボンアミドなど)を樹脂に混ぜ、加熱分解によって発生するガスで発泡します。
     特徴:装置が簡単、コストが安い。

  3. ビーズ法(独立発泡法)
     発泡ビーズ(例:EPS=発泡スチロール)を金型内で加熱して融合させます。
     特徴:断熱材や緩衝材に使われる。

主な利点

  • 軽量化(比重を0.1〜0.9まで調整可能)

  • 断熱性、遮音性の向上

  • 衝撃吸収性の向上(緩衝材や保護材に最適)

  • 材料コスト削減(使用樹脂量が減る)

欠点

  • 寸法精度が出にくい

  • 表面が荒くなりやすい(特に化学発泡法)

  • 機械的強度が低下する場合がある

  • 成形条件の制御が難しい

主な用途

  • 自動車部品(バンパーコア、内装材など)

  • 家電の断熱材(冷蔵庫・クーラーなど)

  • 包装・緩衝材(発泡スチロール箱など)

  • スポーツ用品、建築用断熱パネル

代表的な発泡樹脂

樹脂名 特徴
PS(ポリスチレン) 軽量、加工しやすい、安価
PP(ポリプロピレン) 衝撃強度が高く、リサイクル性も良い
PE(ポリエチレン) 柔軟性と耐薬品性に優れる
PU(ポリウレタン) 弾力性、クッション性が高い

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