発泡成形とは、樹脂の中に気体(ガス)を混ぜて膨らませることで、軽くて断熱性・衝撃吸収性に優れた成形品を作る方法です。
プラスチック内部に微細な気泡(セル)を形成し、製品を軽量化したり、特定の物性を向上させたりします。
発泡成形の主な種類
-
物理発泡法
高温・高圧下で樹脂にガス(例:CO₂、N₂)を溶かし込み、成形時に圧力を下げて発泡させます。
特徴:均一なセル構造、再現性が高い。 -
化学発泡法
発泡剤(例:アゾジカルボンアミドなど)を樹脂に混ぜ、加熱分解によって発生するガスで発泡します。
特徴:装置が簡単、コストが安い。 -
ビーズ法(独立発泡法)
発泡ビーズ(例:EPS=発泡スチロール)を金型内で加熱して融合させます。
特徴:断熱材や緩衝材に使われる。
主な利点
-
軽量化(比重を0.1〜0.9まで調整可能)
-
断熱性、遮音性の向上
-
衝撃吸収性の向上(緩衝材や保護材に最適)
-
材料コスト削減(使用樹脂量が減る)
欠点
-
寸法精度が出にくい
-
表面が荒くなりやすい(特に化学発泡法)
-
機械的強度が低下する場合がある
-
成形条件の制御が難しい
主な用途
-
自動車部品(バンパーコア、内装材など)
-
家電の断熱材(冷蔵庫・クーラーなど)
-
包装・緩衝材(発泡スチロール箱など)
-
スポーツ用品、建築用断熱パネル
代表的な発泡樹脂
| 樹脂名 | 特徴 |
|---|---|
| PS(ポリスチレン) | 軽量、加工しやすい、安価 |
| PP(ポリプロピレン) | 衝撃強度が高く、リサイクル性も良い |
| PE(ポリエチレン) | 柔軟性と耐薬品性に優れる |
| PU(ポリウレタン) | 弾力性、クッション性が高い |


コメント