パーティングライン

パーティングライン(PL) とは、
射出成形金型において 固定側と可動側の型が接する境界線 のことです。

つまり、

成形品を取り出すために金型が開く「割れ目(合わせ面)」の位置にできる線
です。

パーティングラインの役割

  • 成形品を取り出すための「分割位置」を決める

  • 金型構造上、製品を金型から抜くために 抜き方向 が考慮される

  • 成形品の形状・外観・寸法精度に大きく関係する


パーティングラインの発生位置

  • 通常は 成形品の最も外側で、抜き勾配が取れる位置 に設定

  • 複雑形状の部品では、複数のパーティングライン(分割面)が設けられることもある

パーティングラインの設計ポイント

  1. 外観への影響を最小限にする

    • 目立つ表面(正面や見える部分)には配置しないようにする

  2. 離型性の確保

    • 成形品がどちらの型に残るか(固定側・可動側)を考慮して設定

  3. バリ防止

    • 面精度や型合わせ精度が悪いと、樹脂が漏れて「バリ」が発生する

  4. 金型製作の容易さ

    • 加工・組立・メンテナンスがしやすいように面の構造を工夫する

パーティングラインの種類

種類 特徴 用途
フラット(平面) 最も一般的。金型合わせが容易 単純形状の製品
ステップ(段差) 凹凸形状のある部品に対応 複雑形状部品
曲面パーティング 曲面形状に沿って分割 デザイン重視の外観部品(自動車外装など)

不良との関係

  • パーティングラインからのバリ
    → 型締力不足、型合わせ不良、摩耗が原因

  • 段差・ズレ
    → 型のアライメントずれ、ガイドピン摩耗など

まとめ

  • パーティングライン = 金型の合わせ面(固定側と可動側の境界)

  • 成形品の外観・寸法・離型性に大きく関係

  • 設計では「目立たない・抜きやすい・精度を保つ」位置に設定することが重要


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