パーティングライン(PL) とは、
射出成形金型において 固定側と可動側の型が接する境界線 のことです。
つまり、
成形品を取り出すために金型が開く「割れ目(合わせ面)」の位置にできる線
です。
パーティングラインの役割
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成形品を取り出すための「分割位置」を決める
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金型構造上、製品を金型から抜くために 抜き方向 が考慮される
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成形品の形状・外観・寸法精度に大きく関係する
パーティングラインの発生位置
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通常は 成形品の最も外側で、抜き勾配が取れる位置 に設定
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複雑形状の部品では、複数のパーティングライン(分割面)が設けられることもある
パーティングラインの設計ポイント
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外観への影響を最小限にする
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目立つ表面(正面や見える部分)には配置しないようにする
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離型性の確保
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成形品がどちらの型に残るか(固定側・可動側)を考慮して設定
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バリ防止
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面精度や型合わせ精度が悪いと、樹脂が漏れて「バリ」が発生する
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金型製作の容易さ
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加工・組立・メンテナンスがしやすいように面の構造を工夫する
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パーティングラインの種類
| 種類 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| フラット(平面) | 最も一般的。金型合わせが容易 | 単純形状の製品 |
| ステップ(段差) | 凹凸形状のある部品に対応 | 複雑形状部品 |
| 曲面パーティング | 曲面形状に沿って分割 | デザイン重視の外観部品(自動車外装など) |
不良との関係
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パーティングラインからのバリ
→ 型締力不足、型合わせ不良、摩耗が原因 -
段差・ズレ
→ 型のアライメントずれ、ガイドピン摩耗など
まとめ
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パーティングライン = 金型の合わせ面(固定側と可動側の境界)
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成形品の外観・寸法・離型性に大きく関係
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設計では「目立たない・抜きやすい・精度を保つ」位置に設定することが重要


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