ノズル形状の基本
射出成形機のノズルは、シリンダから金型のスプルーブッシュに樹脂を送り込む接続部で、
その先端形状や内部形状は、樹脂の流動性や成形安定性に大きな影響を与えます。
代表的なノズル先端形状
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R形(半球形・球面形)
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先端が丸く、金型側のスプルーブッシュ(通常はR形)と密着させるタイプ
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最も一般的で、シール性が良い
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漏れを防ぎやすく、汎用的に使用
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テーパ形(円錐形)
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先端が円錐状
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金型との着脱が容易で、糸引き防止に有利
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ただし密着が弱いと樹脂漏れが起きやすい
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ストレート形(平面形)
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先端が平ら
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特殊用途や自動化ラインで使用されることが多い
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樹脂漏れリスクが高く、一般的には少ない
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ノズル内部形状
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ストレートボア(直通型)
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内径が一定でまっすぐ
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圧力損失が少ない
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樹脂の分解や滞留を防ぎやすい
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テーパーボア(先細り型)
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内径が先端に向かって狭くなる
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樹脂の流動が安定しやすく、糸引き防止効果がある
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ただし圧力損失が増える
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特殊ノズル形状
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シャットオフノズル
→ ピンやバルブで開閉できる構造。糸引きや漏れ防止に効果的。 -
フィルタ付きノズル
→ 樹脂内の異物や未溶融物を除去するためのメッシュを内蔵。透明樹脂や高精度部品に使用。
まとめ
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ノズル形状は R形が最も一般的(金型スプルーと密着しやすい)
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内径は ストレート型が基本、テーパー型は糸引き対策用
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材料や成形条件によっては シャットオフノズルやフィルタ付きノズル を使う
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