射出成形や押出成形では、溶融樹脂の粘度が低いほど流れやすく、金型充填性が良いことになります。
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高粘度 → 流動が悪く、充填不足やショートショットのリスク
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低粘度 → 流動性は良いが、そりや樹脂の分離に注意
粘度の種類
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絶対粘度(動粘度)
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標準条件下で測定される粘度
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せん断粘度(剪断粘度)
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樹脂が流れる速度(せん断速度)によって変化する
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射出成形では重要な指標
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温度依存性
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樹脂は温度が高くなると粘度が下がり流動性が良くなる
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冷却で粘度が上がると流れが止まる
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樹脂の流動性との関係
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粘度が低い → 射出圧力が低くて済む、複雑形状も充填しやすい
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粘度が高い → 高圧力が必要、薄肉部や細リブは充填困難
粘度と射出成形条件
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射出温度:高温にすると粘度低下
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射出速度:高速射出時、剪断により粘度が下がる(せん断薄化現象)
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加熱・冷却時間:温度変化で粘度が大きく変動
まとめ
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粘度 = 流体の流れにくさの指標
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成形では、溶融樹脂の充填性や成形圧力に影響
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低粘度 → 流動性良好、充填しやすい
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高粘度 → 充填困難、圧力増大、そりや割れのリスク
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温度やせん断速度によって大きく変化する
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