熱硬化性プラスチック とは、
加熱や化学反応により不可逆的に硬化する樹脂 のことです。
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一度硬化すると、再加熱しても軟化・溶融しない
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高温でも形状が変わりにくく、耐熱性・耐薬品性が高い
特徴
1. 不可逆性
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加熱や硬化反応で三次元の網目構造(架橋構造)が形成される
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再加熱しても溶けず、再成形不可
2. 高い耐熱性・耐薬品性
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高温環境でも変形しにくい
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耐薬品性や絶縁性に優れる
3. 高強度・脆さ
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成形後は硬くて強い
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ただし衝撃や曲げには弱く、割れやすい
代表的な熱硬化性樹脂
種類 | 特徴 | 用途例 |
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フェノール樹脂(PF) | 耐熱・耐薬品・絶縁性良 | 電気スイッチ、家電部品 |
メラミン樹脂(MF) | 耐熱・硬質・耐汚染 | 食器、家具表面材 |
エポキシ樹脂(EP) | 高強度・接着性良 | 接着剤、プリント基板 |
ユリア樹脂(UF) | 高硬度・耐熱 | 食器、電気部品 |
ポリエステル樹脂(UP) | ガラス繊維強化可 | FRPボート、タンク |
熱硬化性と熱可塑性の違い
項目 | 熱硬化性 | 熱可塑性 |
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加熱後 | 一度硬化すると再加熱不可 | 再加熱で軟化・再成形可能 |
再利用 | 不可能 | 可能(リサイクル) |
成形方法 | 圧縮成形、トランスファー、射出(特殊) | 射出、押出、真空成形 |
特性 | 高強度・耐熱・耐薬品・脆い | 成形性良・再利用可・柔軟性あり |
例 | PF、MF、EP、UP | PE、PP、PC、ABS |
まとめ
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熱硬化性プラスチック = 加熱・化学反応で硬化し、再加熱で軟化しない樹脂
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特徴:耐熱性・耐薬品性・高強度・脆さ
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用途:電気・電子部品、接着剤、FRP、家具や食器など
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成形方法は圧縮成形やトランスファー成形が中心
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