二色射出成形機

二色射出成形機(Two-Shot Injection Molding Machine) とは、
1台の成形機で 2種類の樹脂(色や材質の異なる樹脂)を順番に射出して1つの成形品に成形する機械 のことです。

例えば、ボールペンのグリップ部分や家電スイッチの軸色と外装色など、2色以上の部品を一体で作る場合に使用されます。

二色成形の方式

  1. ツーショット方式(Two-Shot)

    • 最初にベース樹脂を射出・保圧・冷却

    • 続けて2色目の樹脂を別の射出ユニットで射出

    • 樹脂が化学的または物理的に結合して一体化

  2. 回転式金型方式(Rotary or Index Plate)

    • 1つの金型で1色目を成形後、金型を回転させて2色目を射出

    • 成形サイクルの短縮や連続成形に適する

二色射出成形機の構造

  • 射出ユニットが2つ

    • それぞれ異なる樹脂を溶融・射出可能

  • 可動プラテン or 金型が回転可能

    • 1色目の製品を保持したまま2色目を射出

  • 制御装置

    • 2色の射出タイミング、保圧、冷却、型開閉を正確に制御

メリット

  • 複雑な多色部品を1回で成形 → 組立工程を削減

  • 材質の組み合わせが可能

    • 硬軟樹脂の組み合わせ(例:軟質グリップ+硬質ボディ)

  • 高精度で一体成形

    • 色ズレや組立誤差の心配がない


デメリット

  • 金型コストが高い

    • 2色成形用の複雑な金型が必要

  • 成形機コストが高い

    • 射出ユニット2基+高度な制御が必要

  • 成形条件の最適化が難しい

    • 2種類の樹脂特性が異なる場合、接合不良や反りのリスク

用途例

  • 文房具(ボールペン、マーカー)

  • 家電スイッチ、リモコンボタン

  • 自動車部品(スイッチ、シフトノブ)

  • 携帯電話ケースの二色成形

まとめ

  • 二色射出成形機 = 2種類の樹脂を1つの成形品に順次射出する機械

  • 射出ユニットが2つあり、金型またはプラテンの動きで2色を一体化

  • メリット:組立工程削減・材質・色の組み合わせが可能

  • デメリット:金型・機械コスト高・成形条件が複雑

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