二色射出成形機(Two-Shot Injection Molding Machine) とは、
1台の成形機で 2種類の樹脂(色や材質の異なる樹脂)を順番に射出して1つの成形品に成形する機械 のことです。
例えば、ボールペンのグリップ部分や家電スイッチの軸色と外装色など、2色以上の部品を一体で作る場合に使用されます。
二色成形の方式
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ツーショット方式(Two-Shot)
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最初にベース樹脂を射出・保圧・冷却
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続けて2色目の樹脂を別の射出ユニットで射出
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樹脂が化学的または物理的に結合して一体化
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回転式金型方式(Rotary or Index Plate)
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1つの金型で1色目を成形後、金型を回転させて2色目を射出
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成形サイクルの短縮や連続成形に適する
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二色射出成形機の構造
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射出ユニットが2つ
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それぞれ異なる樹脂を溶融・射出可能
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可動プラテン or 金型が回転可能
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1色目の製品を保持したまま2色目を射出
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制御装置
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2色の射出タイミング、保圧、冷却、型開閉を正確に制御
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メリット
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複雑な多色部品を1回で成形 → 組立工程を削減
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材質の組み合わせが可能
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硬軟樹脂の組み合わせ(例:軟質グリップ+硬質ボディ)
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高精度で一体成形
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色ズレや組立誤差の心配がない
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デメリット
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金型コストが高い
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2色成形用の複雑な金型が必要
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成形機コストが高い
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射出ユニット2基+高度な制御が必要
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成形条件の最適化が難しい
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2種類の樹脂特性が異なる場合、接合不良や反りのリスク
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用途例
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文房具(ボールペン、マーカー)
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家電スイッチ、リモコンボタン
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自動車部品(スイッチ、シフトノブ)
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携帯電話ケースの二色成形
まとめ
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二色射出成形機 = 2種類の樹脂を1つの成形品に順次射出する機械
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射出ユニットが2つあり、金型またはプラテンの動きで2色を一体化
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メリット:組立工程削減・材質・色の組み合わせが可能
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デメリット:金型・機械コスト高・成形条件が複雑
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