突き出し

射出成形における 突き出し(ejection) とは、
成形サイクルの最後に 金型から成形品を取り出す動作 を指します。

射出・保圧・冷却の後、金型が開いても製品は可動側に残ることが多いため、突き出しピンやプレートの機構を使って製品を金型から押し出す必要があります。

突き出しの方法

  1. 突き出しピン方式

    • 成形品に直接ピンが当たり、押し出す最も一般的な方法

    • ピン跡が残りやすい

  2. スリーブ突き出し

    • 円筒状のスリーブで押す方式(丸穴部品などに使用)

  3. ストリッパープレート方式

    • プレート全体で製品を押し出す方式 → ピン跡が目立ちにくい

  4. 空気突き出し(エアブロー)

    • 圧縮空気を流して離型を助ける方法

  5. 油圧・機械突き出し

    • 特殊な成形品や大型部品で使用

突き出しに関わる成形条件

  • 突き出し速度:速すぎると成形品が破損、遅すぎるとサイクルが長くなる

  • 突き出し力:樹脂や製品形状によって適切に設定

  • 突き出し回数(多段突き出し):一度では外れにくい場合、複数回に分けて行う

突き出し不良の例

  • 白化・割れ:突き出し力が過大

  • ピン跡が目立つ:ピン径が小さい、配置不良

  • 製品が残る(離型不良):離型角不足、表面粗さ、突き出し力不足

  • 変形:突き出し速度が速すぎる、製品が十分冷却されていない

まとめ

  • 突き出し = 金型から成形品を取り出す工程

  • 方法はピン・スリーブ・プレート・エアなど多様

  • 条件設定や設計不良があると割れ・白化・残り付きが発生

  • 適切な突き出し力・速度・位置設計が重要

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