射出成形における 突き出し(ejection) とは、
成形サイクルの最後に 金型から成形品を取り出す動作 を指します。
射出・保圧・冷却の後、金型が開いても製品は可動側に残ることが多いため、突き出しピンやプレートの機構を使って製品を金型から押し出す必要があります。
突き出しの方法
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突き出しピン方式
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成形品に直接ピンが当たり、押し出す最も一般的な方法
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ピン跡が残りやすい
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スリーブ突き出し
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円筒状のスリーブで押す方式(丸穴部品などに使用)
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ストリッパープレート方式
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プレート全体で製品を押し出す方式 → ピン跡が目立ちにくい
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空気突き出し(エアブロー)
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圧縮空気を流して離型を助ける方法
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油圧・機械突き出し
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特殊な成形品や大型部品で使用
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突き出しに関わる成形条件
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突き出し速度:速すぎると成形品が破損、遅すぎるとサイクルが長くなる
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突き出し力:樹脂や製品形状によって適切に設定
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突き出し回数(多段突き出し):一度では外れにくい場合、複数回に分けて行う
突き出し不良の例
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白化・割れ:突き出し力が過大
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ピン跡が目立つ:ピン径が小さい、配置不良
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製品が残る(離型不良):離型角不足、表面粗さ、突き出し力不足
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変形:突き出し速度が速すぎる、製品が十分冷却されていない
まとめ
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突き出し = 金型から成形品を取り出す工程
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方法はピン・スリーブ・プレート・エアなど多様
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条件設定や設計不良があると割れ・白化・残り付きが発生
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適切な突き出し力・速度・位置設計が重要
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