耐コロナ性

耐コロナ性(corona resistance)とは、プラスチックや絶縁材料が高電圧下で発生する「コロナ放電」に耐える能力を指します。

  • コロナ放電とは、導体表面の局所的な強電界で気体(空気)が部分的に絶縁破壊し、微小な放電現象が起こることです。

  • 樹脂表面でコロナ放電が長時間続くと、表面の炭化や劣化、絶縁破壊の原因になります。

測定方法(代表例)

  • IEC 243-1、ASTM D2303 などの規格で評価

  • 樹脂試料に高電圧をかけてコロナ放電を発生させ、

    • 表面の損傷や絶縁破壊までの時間や電圧を測定

  • 数値が高いほど耐コロナ性に優れている

耐コロナ性に優れる材料

  • 熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂、フェノール樹脂など)

    • 耐熱性・絶縁性が高く、炭化しにくい

  • エンジニアリングプラスチック(PEEK、PPS、PTFEなど)

    • 高温・高電圧環境でも使用可能

  • 表面コーティングや充填材

    • シリカやアルミナ充填によって耐コロナ性を向上させることも可能

耐コロナ性が低いとどうなるか

  • 樹脂表面の炭化・トラッキング発生

  • 絶縁破壊・短絡

  • 電気機器の寿命低下や火災リスク

主な用途

  • 高電圧部品(変圧器、スイッチギア、ケーブル絶縁)

  • 屋外電気設備(送電・配電用絶縁部材)

  • 航空・自動車の高電圧絶縁部品

まとめ

耐コロナ性とは、

  • コロナ放電による表面劣化や絶縁破壊に耐える性能

  • 秒数や電圧で評価し、数値が高いほど優秀

  • 高電圧部品の安全性・寿命確保に不可欠

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