射出成形における そり(warpage) とは、
成形品が冷却や収縮の不均一によって、平面や直線が変形して反ってしまう現象 を指します。
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平板が中央部で浮き上がったり、
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長い製品が曲がったりする不良の一種です。
そりの主な原因
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樹脂の収縮不均一
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厚肉部と薄肉部の冷却差による収縮差
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結晶性樹脂は収縮率が大きいため特に発生しやすい
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金型温度の不均一
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冷却水路の偏りや温度管理不足
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繊維配向(特にガラス繊維強化樹脂)
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流動方向と直交方向で収縮率が異なるため、曲がりやねじれが発生
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成形条件の不適切
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保圧不足 → 収縮補正が不十分
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射出速度や温度が極端 → 内部応力が残る
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対策
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金型設計面
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冷却配管を均一に配置
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肉厚をできるだけ均一にする
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ゲート位置を最適化して流動・収縮のバランスをとる
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成形条件面
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保圧を適正化(不足 → 収縮増大、過剰 → 応力残留)
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金型温度を均一化
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射出速度・溶融温度を安定させる
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材料面
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ガラス繊維入りの場合 → 繊維配向を考慮した設計
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そりに強い樹脂(非晶性樹脂など)を選択する
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まとめ
そりとは、
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成形品が反ったり曲がったりする変形不良
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主因は「収縮の不均一」や「繊維配向」
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金型設計・成形条件・材料選択のバランスが重要
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