成形サイクル(molding cycle)とは、1ショット(1製品または1型取り分)を成形するのに要する時間の一連の流れを指します。
つまり、
「金型を閉じてから次のショットを開始するまでの時間」= 1サイクル です。
成形サイクルの基本工程
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型締め(型閉じ)
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可動側と固定側の金型を閉じて、射出準備を整える
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射出・充填
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溶融樹脂を金型内に射出してキャビティに充填する
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保圧(パッキング)
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樹脂の収縮を補うため、一定時間圧力をかけて密度を安定させる
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冷却(固化)
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金型内で樹脂を冷やし、成形品を固める
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サイクルタイムの中で最も長い時間を占めることが多い
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型開き
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固化後、金型を開いて取り出し準備
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突き出し(離型)
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エジェクタピンやストリッパープレートで成形品を取り出す
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成形サイクルの時間配分(例)
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型締め:約 1〜2 秒
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射出・保圧:約 2〜10 秒
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冷却:約 10〜60 秒(製品の厚みに依存)
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型開き+突き出し:約 2〜5 秒
👉 合計で 15〜80秒程度 が一般的ですが、製品の大きさ・樹脂種類・金型構造で大きく変わります。
成形サイクル短縮のポイント
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冷却効率の改善(冷却配管の最適化、金型温調機の活用)
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射出条件の最適化(過剰な保圧や冷却を避ける)
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自動化による取り出し時間の短縮(ロボット使用など)
まとめ
成形サイクルとは、
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1ショットに要する時間の流れ(型閉じ → 射出 → 保圧 → 冷却 → 型開き → 突き出し)
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冷却時間が最も大きな割合を占める
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短縮=生産性向上につながるが、品質とのバランスが重要
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