スクリュ有効長(effective length of screw)とは、
実際に樹脂を搬送・可塑化するために使われるスクリュの長さを指します。
スクリュ全体の長さのうち、ホッパー下から先端のチェックリング付近までの「樹脂と接触して働く部分」が有効長です。
関連する指標:L/D比
有効長は、スクリュ外径(D)と組み合わせて L/D比 として表されることが多いです。
L/D=スクリュ有効長 (L)スクリュ外径 (D)
例:
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外径 40 mm、スクリュ有効長 800 mm の場合
→ L/D = 800 ÷ 40 = 20
有効長の役割
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可塑化能力
→ 長いほど樹脂の加熱・溶融・混練の時間が確保できる -
混練性能
→ 長いほど添加剤やガラス繊維などの分散性が高まる -
滞留時間
→ 長いと滞留時間が増え、熱劣化のリスクが上がる
一般的な範囲(射出成形機)
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L/D比で 18〜24 程度が多い
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有効長は成形機のサイズ(スクリュ径)に応じて設計される
有効長が短い場合
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可塑化が不十分になりやすい
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色替えや材料替えは早い
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熱劣化のリスクは少ない
有効長が長い場合
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溶融が安定し、混練性能が高い
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色替え・材料替えに時間がかかる
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滞留による劣化に注意
まとめ
スクリュ有効長とは、
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実際に樹脂の輸送・溶融・混練に関与するスクリュの長さ
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外径との比率(L/D)が可塑化性能の目安になる
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長いほど可塑化や混練は安定するが、滞留や切替のしにくさに注意
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