スクリュプリプラ式射出成形機(Screw Preplasticating Injection Molding Machine)は、
「可塑化」と「射出」を別々の装置で行う」 構造の射出成形機です。
-
可塑化(溶融・混練):スクリュを持つ可塑化シリンダで行う
-
射出(樹脂を金型に押し込む):別のプランジャ(ピストン)で行う
このため「スクリュプリプラ式」と呼ばれます。
構造のイメージ
-
ホッパーからペレット投入 → スクリュで溶融・混練
-
溶けた樹脂を「射出シリンダ」に移送
-
プランジャで射出シリンダ内の樹脂を金型に充填
特徴
メリット
-
可塑化と射出の役割分担
→ 溶融はスクリュ、射出はプランジャで行うため、それぞれに最適化できる。 -
均一な溶融樹脂が得やすい
-
高い射出圧力が出せる(プランジャ方式のため)
-
大型成形品や熱硬化性樹脂の成形に適する
デメリット
-
機構が複雑で、装置が大型化しやすい
-
樹脂の移送に余分な工程が入り、サイクルタイムがやや長い
-
メンテナンスコストが高い
主な用途
-
熱硬化性樹脂(フェノール、メラミンなど)
-
大型成形品(自動車部品など)
-
均一な溶融が求められる特殊用途
現在の位置づけ
現在は、「可塑化と射出を1本のスクリュで行う方式(直圧式スクリュ射出成形機)」が主流です。
これは構造がシンプルでサイクルが短く、汎用性も高いためです。
そのため、スクリュプリプラ式は「特殊用途向け」や「過去の主流機構」として扱われています。
まとめ
スクリュプリプラ式射出成形機は、
-
可塑化:スクリュ
-
射出:プランジャ
と役割を分けた成形機で、均一溶融や高圧射出に強い方式です。
ただし、現代ではシンプルで効率的な「スクリュ直圧式」が主流になっています。
コメント